2009年7月12日5時1分
自民党から次期衆院選への出馬を要請されている宮崎県の東国原英夫知事が11日、出馬に慎重とも弱気とも受け止められる姿勢を見せ始めた。自民党内や世論の反発が強いのに加え、タレント時代の師匠にあたるビートたけし氏から10日夜、「謝って宮崎に帰れ」などと出馬をとりやめるよう一喝されたことも響いたようだ。
東国原氏は11日、愛知県春日井市での講演会で、みのもんた氏と対談。その中で「ぼくは(宮崎)県民に支えられてここまできたから、民意は重要視する」と語った。東国原氏はこれまで、報道各社の世論調査で出馬に否定的な意見が多数を占めていることを記者団に問われても、意欲を示し続けてきたが、この日は民意を尊重し、知事職にとどまる考えもあることを示唆した。
東国原氏はまた、出馬の条件として全国知事会の地方分権推進の方針を自民党の政権公約(マニフェスト)に盛り込むよう求めていることについて、7日に自民党の古賀誠選挙対策委員長から「前向きに検討している」と言われたことを紹介した。しかし、「検討する、努力する、は役所の言葉では、ほとんどしないということ。実行することとは全然違う」と強調。さらに、「一番ここが問題」と重視する「国と地方の税源配分5対5の実現」については「国がのむと思いますか」と述べ、難しいとの見通しを示した。
一方、たけし氏は11日、東京都内で10日夜に東国原氏と会食したことを明らかにした。たけし氏は東国原氏が一連の騒動を引き起こしたことについて「宮崎県民に謝った方がよい」と忠告。「思っている以上に反発が強い。逆風どころじゃない、頭の毛がなくなるぞ」と出馬断念を促した。東国原氏は「考えさせていただきます」と答えたという。