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「アフリカよ、自助努力を」オバマ大統領、ガーナで鼓舞(1/2ページ)

2009年7月12日0時32分

写真:ガーナに到着したオバマ米大統領=ロイターガーナに到着したオバマ米大統領=ロイター

図:  

 【アクラ=望月洋嗣】オバマ米大統領は11日、サハラ砂漠以南のアフリカ諸国で就任後初めての訪問先となった西アフリカ・ガーナの首都アクラで演説した。ケニア人留学生だった父を持つ「アフリカ系」として、アフリカの民主化や開発の重要性を強調。「アフリカの将来はアフリカ人の手にかかっている」と自助努力を呼びかけた。

 オバマ大統領は演説で、英国植民地支配下のケニアで、祖父が英国人のコックとして働き、独立闘争にかかわって投獄されたことや、地元でヤギの飼育をしていた父親が米国に留学する機会を得た経緯を紹介。「私の親族の歴史はアフリカの悲劇と勝利を内包している」と述べた。

 植民地時代に、欧州列強が現地の実情を無視する形で人為的に引いた国境線が、現代のアフリカに紛争を生んでいることや、欧米諸国の援助漬け、あるいはエイズなどの感染症といった問題が成長を阻害してきた点を指摘した。

 ただし「私が生まれたころは、ケニアの国民総生産は、韓国をしのいでいた」とも述べ、独立後も民族対立や政治的腐敗に足を取られ、経済成長で世界に後れをとったアフリカ自体の責任も言及した。

 一方、アフリカ諸国に独裁的な政権が多い中で、ガーナでは相対的に見て民主的な政権交代が続き、「良い統治」が具体化している点をたたえた。第2次大戦後に植民地支配からの解放運動を率いたエンクルマ・ガーナ初代大統領にも触れつつ「アフリカの未来をつくるのはエンクルマのような巨人だけでなく、あなた方だ」と、民主主義の定着に向けたアフリカ人自身の努力を呼びかけた。

 今後の米国によるアフリカ支援では、民主化支援、貿易や投資の促進、エイズやマラリアなどの感染症対策、紛争の平和的解決に力を注ぐことを表明。政府の途上国援助(ODA)については「援助が必要ない状態をつくり出すことが本来の目的だ」とし、食糧援助よりも、自活につながる農業生産性の向上などに力を入れる方針を示した。

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