ニュース・コメンタリー
児童ポルノ法改正: 行政の裁量拡大に無警戒な政治の惨状
ニュース・コメンタリー (2009年07月11日)
児童ポルノ法改正: 行政の裁量拡大に無警戒な政治の惨状
 児童ポルノ禁止法改正案の審議が、大きな山場を迎えている。
 現行法が禁止している販売や提供に加え、18歳未満の子どもの性的な画像を購入したり入手す る行為も処罰対象に含める同法の改正案は6月26日から衆議院法務委員会で審議されているが、このほど与党と民主党の間で合意に向けた話し合いが断続的に行われ、両者は概ね妥協点を見つけた模様だ。
 国際的な要請や国内諸団体からの働きかけを受け、与党、民主両党は、児童ポルノ禁止法を強化し、画像の所持に対しても処罰対象とすることでは合意していた。しかし、児童ポルノの定義やマンガやアニメなどの創作物も対象とするか、悪意はないのにたまたまダウンロードなどでそれを保有してしまった単純所持を処罰対象に含めるかどうかなどをめぐり、両党間に意見の相違があり、妥協を探る努力が続けられてきた。
 議論の焦点となっている児童ポルノの定義について、与党案は「性欲を興奮させ又は刺激するもの」と広く定義しているのに対し、民主党はそれでは恣意的な捜査の恐れがあるとして、「性器が露出され、強調されている児童の姿態」に限定すべき立場を取っている。所持の規制について、与党は「単純規制」を訴えているのに対し、民主党は知らないうちに送りつけられてしまった場合も罪に問われる可能性がある以上、「有償・反復取得」を条件にするよう求めていた。
 民主党の交渉担当者は11日午後、ビデオニュース・ドットコムに対して、単純所持については、それが本人の意思に基づくものであることを立証する挙証責任を捜査機関に義務づけるとの条件付きで、「基本的には単純所持を処罰対象とすることで合意した」と語った。また、現実に子どもが被害者とならないマンガやアニメは、禁止の対象からはずすことで合意したことも明らかにした。
 神保哲生・宮台真司両キャスターがこの問題を議論した。
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