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機密文書、溶かして固めてトイレットペーパーに 外務省(2/2ページ)

2009年7月11日20時58分

写真:外務省が廃棄した機密文書などから作られたトイレットペーパー外務省が廃棄した機密文書などから作られたトイレットペーパー

図:  

 さらに外務省の年度ごとの廃棄量をみると、97年度は約200トンと他省庁並みだったのに、法案が成立した99年度から急増。00年度にピークに達するが、01年度以降は再び減少傾向になる。

 クリアリングハウスの三木由希子理事は「法の施行を前提に『公開を迫られるくらいなら捨ててしまえ』と入念に準備した可能性がある」と指摘する。

 60年の「核密約」関連文書問題と同様に、72年の沖縄返還に伴って日米間で交わされたとされる「密約文書」をめぐる情報公開訴訟を手がける小町谷育子弁護士は「国民への説明責任も果たさずに、重要な文書を捨てるという行為は許し難い。政策の検証もできないまま、真相はやぶの中だ。国民が怒りの声をあげないと、同じことが何度でも繰り返される」と話す。

 外務省は、再三の取材申し入れに対し、「担当者から連絡させる」としたまま、10日夜までに回答しなかった。(谷津憲郎)

■歴史に対する冒涜

 石井修・一橋大名誉教授(外交史)の話 米国では、政府高官の電話での会話すらテープにとったうえで公文書におこして残す。内容を非公開とする場合でも、文書そのものが存在することは明示される。「公文書は国民のものである」という真摯(しんし)な態度があるからだ。それに引き換え、今回のように、公文書を捨ててしまえと指示するなどというのは、歴史に対する冒涜(ぼうとく)であり、納税者に対する犯罪である。怒りがこみ上げてくる。

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