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札幌高裁判事:「弁護士増やせば質低下」同窓会HPに投稿

 札幌高裁の末永進・民事第2部総括判事(64)が、出身高校同窓会のホームページ(HP)に、民事裁判の長期化について、「弁護士の資質の低下」が要因とし、司法制度改革による弁護士の増員を懸念する投稿をしていたことが分かった。現職判事の司法制度に関する発信は異例。

 末永総括判事の投稿は5月25日付で、函館ラ・サール高校(北海道函館市)の同窓会ホームページに掲載されている。タイトルは「民事裁判はなぜ時間がかかるのか」。

 末永総括判事は「弁護士のなかには(権利を意味する)訴訟物という法律用語すら知らない人や、訴訟物の存在を主張する一定の事実を正確に理解していない人もいる」と指摘。民事訴訟の長期化について、「裁判所にも遅延要因がないわけではありません」としながらも、「十分に事実を調査せずに訴状を提出する当事者(代理人弁護士)に多くの原因がある」とした。

 さらに、「我が国の裁判制度は、ある意味で、退化しているような気もしています」と懸念を表明。司法改革の一環で司法試験合格者を毎年、3000人程度に増員することについて「(弁護士の)質の低下が危惧(きぐ)されますし、現に私の法廷ではその傾向がはっきりと窺(うかが)われます。法廷で弁護士にいろいろと教示する必要がでてきている」とした。

 中山博之弁護士(札幌市)は「現職判事の意見表明はよいこと。ただ、弁護士人口の増加と質の低下は必ずしもつながらない」と反論している。札幌弁護士会は「コメントできない」としている。

 末永総括判事は札幌高裁総務課を通じて「取材には応じられない」とコメントした。

 末永判事は東京高裁などを経て01年、釧路地家裁所長に。04年から札幌高裁民事第2部総括判事。【水戸健一】

毎日新聞 2009年7月11日 2時30分(最終更新 7月11日 2時30分)

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