【書評】 ウェブはバカと暇人のもの

長時間移動を強いられたので、旅のお供に読みました。
マンガみたいな内容なのであっというまに読了。
釣り雑誌ですね。

本書の表紙見返しにこっそり記してある
「本書では、「頭が良い人」ではなく、「普通の人」「バカ」がインターネットをどう利用しているか？リアルな現実を、現場の視点から描写する。」
を念頭に入れながら読まないと、読中に激しい下痢を催します。

というか短く纏める為にぶっちゃけますが、中川さんが滔々と書いているネットでの「困った人」ってのは、コメント欄などで火病起こしている変人さんな訳で、所謂ノイジー・マイノリティ。
実際にアメーバニュースのＵＵや界王拳ＰＶが何件かは存じませんが、ＵＵに対するコメント欄でのアクティブユーザー数って何割？

うちの場合、デイリーでのＵＵが１万弱から３万弱の間で、コメント寄せる人が連日１０数名。
率で云うと0.1％以下です。千人に一人未満。
アメーバニュースも同じ比率だと仮定して、そのＲＯＭ専たる９９９人の存在を置き去りにして残り１人の面白い行動をピーチクパーチク書いたのがこの本。
どこかで２ちゃんねるのＲＯＭ率を見た記憶があるけど、やっぱり千人に一人程度だったような。

んで、ネットと比しテレビの方が遥かに影響が高いなんてのも云われなくても分かっている訳で、「ネットのヘビーユーザーはバカばかり」であれば黙示の対比として「テレビのヘビーユーザーは常識人ばかり」であると読んでいて端々に感じるのですが、「ウェブはバカと暇人のもの」というより「テレビはバカと暇人のもの」である方が遥かに定説な訳です。

いいですか。テレビの前で２４時間籠城し、コーラとピザを主食に、見えない敵に向かってブラウン管越しに吠えていた「バカと暇人」の一部がネットに参戦しているの。
地デジで視聴者インタラクティブ番組が始まったら、番組によってはネットと同じ状態になるよ。つまりバカなコメントラッシュと暇人が押し寄せて大炎上。

中川さんは日課として朝６時から９時まで各局の朝のワイドショー見ているって書いているけど、アメーバニュースの仕事と関係なしにプライベートでも各局ザッピングして毎朝３時間見ますか？
あの噂の芸能人熱愛発覚とか韓流スター来日とか激安グルメランチとか。
そういう類のテレビを朝から必死で見ているのであれば、中川さんも「バカと暇人」なんだよ。

本書後半には企業向けに「ネットに幻想抱くな」と書かれていまして、それは正にその通りなんだけど、「ネットはバカと暇人ばかりだからネットに幻想抱くな」であれば、冒頭で書いた釣り本。
携帯はバカと暇人のものとか、ワゴン車はバカと暇人のものとか、グルメ本はバカと暇人のものと同義。
宅配新聞購読者の大半はチラシとラテ欄目的。だったら新聞読むのはバカと暇人ばかりなのか？と同義。
まともなビジネスマンは中川さんに騙されない様に。

ネットってのは包丁。
美味しい料理も作れるし、人も殺せる。
剥き身なら指も切るし、ケースに入れれば子供が触っても大丈夫。



中川さんがアメーバニュースＲＯＭっている声を発しない99.9％の人達に気付かない限り、アメーバニュースは永遠にアメーバニュース。
マスマーケの古戦場跡である博報堂ＯＢの限界。
ＩＴ業界の勝間和代さんの地位に安住する気はないでしょうから、もっと頑張れ。

きつい事書いたけど（本書冒頭でいう）運営当事者側から発言は大歓迎だから、ネットの片隅よりエールを贈ります。

ウェブはバカと暇人のもの (光文社新書)
	中川淳一郎 おすすめ平均 まさしくその通りです でじゃびゅ（藁 ネットには過度な期待はせずに ニコ厨や2ちゃんねらみたいなバカこそ読むべき名著 わざわざこの本を読む人が本当の暇人・・・ Amazonで詳しく見るby G-Tools

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)
	ひろゆき おすすめ平均 自力で餌を探しに行く 合理的な考えの人 “2ちゃん元管理人”ひろゆき（西村博之）の普通に考えれば、未来はこうなる 面白いが題名が。。。 さすがだねえ Amazonで詳しく見るby G-Tools

ネットで人生、変わりましたか?
	岡田 有花 おすすめ平均 そんなに変わらないケド なんじゃこりゃ！ ネットで人生、変わってはないですけど、この本は面白いと思います。 まるでタイムマシンのような一冊 Amazonで詳しく見るby G-Tools