――今回のニューシングルは、とても疾走感のある曲ですね。FictionJunction YUUKAの中でここまでスピードと勢いを含んだ曲はなかったように思うんですけれど？
【梶浦】 そうですね。『.hack//Roots』のオープニングテーマということで、その作品世界はすごく意識して作ったんですけど、同時に最近作っていないような曲を作りたいなと思っていて。こういうキュートなポップロックみたいな音楽が私は好きだし、ある意味自分の原点なのかなと思ってるところがあるんですよね。FJ YUUKAは、わりともの悲しげな弦とかフィドルが入ってくる曲が最近は多かったけど、今回はちょっと方向性を変えて、歌いやすくて飛び込んでくるようなポップな曲を久しぶりにやりたいなと。そういう想いもあって、どこか原点に戻った曲になりました。
――YUUKAさんは、この曲を歌った時はどんな感想を持ちました？
【YUUKA】 最初に聴いた時は、FictionJunction YUUKAの中で新しい色の曲になるなって思いました。毎回曲が出来上がってくる時に、どんな曲か想像しきれないんですけど、今回もまったく想像してなかったような曲がきたので、ワーッ！と思って（笑）。
【梶浦】 想定外だったのね（笑）。
【YUUKA】 はい！不意をつかれたみたいな感じで。最初の頃はチャレンジをするというのが恐かったんですけど、去年アルバム（『Destination』）を作って、チャレンジすることがすごく楽しくなってきて。もっと色んな曲調とかカラーの曲を歌っていきたいと思っていたので。今回もまた今までにないカッコよさを出したいなぁと思いましたね。
――「Silly-Go-Round」というタイトルは、どういう意味なんですか？
【梶浦】 造語なんですけど、Merry-Go-Roundをもじって、“愚か者が回る”という意味なんですね。ある意味、人生って堂々巡りのことが多いじゃないですか。何をやっても、すんなり次に行けるわけじゃないし、結局同じことを繰り返してるなぁという感覚は誰にでもあると思うんですね。じゃあどうせ繰り返すんなら勢いつけてガンガン繰り返してやろうというか（笑）。
――はいはい（笑）。
【梶浦】 バカになってぐるぐる回っていれば、引力ぐらいは生まれるかもしれないし。あるいは、どんどんスピードつければ遠心力で、そのうち外に飛びだすかもしれないし、というようなイメージで詞を書いたんですけど。
――梶浦さん自身もそうでありたいなっていう願望みたいなものも、この歌詞には表れていたりするんですかねぇ。
【梶浦】 自分も、たとえダメでも繰り返してやり続けるバカでいたいなぁってすごく思っているので。そこでやめちゃうおりこうさんにはなりたくないなぁって思う。
【YUUKA】 私はどちらかというとおりこうさんタイプで、なかなかバカができない人だったんですね。特に高校生ぐらいまで、すごくまじめだったので。自分で言うのもヘンですが（笑）。でもやっぱりガムシャラに自分のやりたいことに向かって突き進んでる人はすごくカッコイイなって思う。この曲を歌うと、自分もそうしなきゃもったいないなぁって思うようになりましたね。
――最後に、今後の予定を聞かせてください。
【梶浦】 私は非常に無いモノねだりの人間だったりするので（笑）。去年はサントラをたくさん作ってきたので、今年は歌モノをやりたいモードになってて。FJ YUUKAでいろんな活動ができたらなと思ってます。特に、FJ YUUKAでぜひライブをやってみたいですね！