あまり報道されていないようなので、6日に都内で開かれた日教組第97回定期大会での民主党の鳩山由紀夫代表、輿石東参院議員会長、社民党の福島瑞穂党首のあいさつを紹介しておこうと思います。個人的にも記録として残しておきたいもので。
私は2日のエントリで、輿石氏が1日の党参院議員総会で静岡県知事選に関して「私はきょう、本会議の後に静岡に赴いて(静岡)県教組にもお願いしてまいりたいと思っている」とあいさつしたことを書いています。で、日教組大会でのあいさつをみると、なるほど川勝知事(当時・候補)とも直接会っているわけですね。
それにしても鳩山氏が、あいさつとは言え、日教組をここまでべたべたに持ちあげているのがなんだかなあ、という感じです。これからも民主党のために働いてくださいね。という含みでしょうか。静岡県知事選は次点の与党候補との票差が約1万5000票差の接戦でしたから、本当に静岡県教組の終盤での集票活動が大きな意味を持ったということかもしれませんが、これは現地取材をしていないので分かりません。
まあ、とにかく彼らはこんなことを述べているのでご一読ください。それにしても輿石氏が「教育こそ愛だ」なんて言うとは…。永遠に覚めない悪い夢の中にいるような気分です。連合の高木会長と日教組出身の佐藤泰介議員にそんな縁があったとは…。
鳩山由紀夫氏:中村委員長はじめ日教組の皆さんおはようございます。そして定期大会、心からお喜びを申しあげます。民主党に対してお招きをくださいまして、心から感謝を申しあげますし、日頃からいろいろと、政策的にも、ここは違うかなあ、といろいろと思われることもあろうかと思いますが(会場笑い)、辛抱強く、ご支援をいただき、ご指導をいただいておりますことを心から感謝を申しあげたいと思います。輿石会長をはじめ、(民主党の日教組出身議員である)神本参院議員、水岡参院議員、那谷屋参院議員、組織内の議員をはじめ、多くの日政連(※日本民主教育政治連盟、輿石氏が会長を務める日教組の政治団体)の議員を中心にご指導いただいていることを、深甚なる感謝と御礼を申しあげたいと思います。本当にありがとうございます。そして昨日行われました静岡の県知事選挙におきまして、私どもが推薦をいたしております、すばらしい候補でございます、川勝平太さんに対して日教組さんの皆さんが大変ご指導いただいたおかげで、大変厳しい戦いでございましたが、乗り切らせていただいて勝利をつかみとることができましたこと、本当に感謝を申しあげます。改めて御礼申しあげます。ありがとうございます。
川勝平太さんの思い、教育者でありますだけに、教育に非常に力を入れておりまして、彼の主張に一に勉強、二に勉強、三に勉強ということでありまして、一体どこに遊びがあるんだと私は思ったわけでありますが、その二に勉強は、現場主義だということでございます。机の上だけではなくて、さまざまな現場というところを見ながら、学ぶということが大切だと。その一つとして、一校一山運動、一つの山を一つの学校で、一部分であっても守って自然との、地球環境問題の重要さなどを勉強することが大事だと、そんなことを言っておられました。三に勉強は思いやりだということでございます。
このことに関しては常日頃、私が政治は愛だ、と申しあげると輿石会長が、いや、教育こそ愛だぞ。愛を教えるのが教育者だ。われわれはそう認識して行動している、ということでありました。まさに皆様方が、川勝候補が申している、一に勉強、二に現場主義、三に思いやり。すべてを実践されておられるわけでありまして、ぜひともその思いの中で日本の教育を皆様方がさらに大きくご努力をいただき、日本の子供たちが明日の日本をしっかりと見つめてすばらしい日本人をつくっていくときに頑張っていくぞ、その思いを1人1人の子供たちに植え付けていただくことを心から祈念申しあげたいと思っています。
ただ、先ほどから子供の貧困という話がございました。そしてやはり小泉、いわゆる偽物だと私は思っておりますが、構造改革なるものによって地域が大変、厳しい憂き目になりました。そしてそのことが地方の格差さらに所得の格差、雇用の格差、それが原因となって教育の格差まで拡大をしてしまったのだと思っております。私たちはそのことを大変、深刻にとられていること、言うまでもありません。(中略)
やはり政権交代を成し遂げていかなければ、すなわち政治の仕組みを変えなければならない、その思いの中で皆様方がご努力をなさっておりますことに、本当に感謝に堪えない思いでございます。政権交代は、これは麻生さんに言われるまでもなく、目的ではありません。これからのスタートラインに立たせていただくための政権交代だ、そのようにご理解を願いたいと思います。来るべき総選挙、高木連合会長が私の言いたいこと全部言ってくださったもんですから、何も申しあげる必要もないんでありますが、総選挙において政権交代を果たし、それをスタートラインにしながら、来年の参院選挙、那谷屋議員をはじめ、日政連の議員のみなさん方に、ぜひ、皆様方のお力をいただいて、この国の未来を新しく切り替えていく、そんな作業に向けて皆様方も一致してご協力を願いたい、そのことをお願いを申しあげ、改めて皆様方の今日までのご努力に感謝を申しあげ、日教組さんのますますのご発展を心からお祈りを申しあげて、お祝いの挨拶といたします。おめでとうございます。
福島瑞穂氏:第97回、日教組大会、本当におめでとうございます。全国各地からこられた皆さん、現場で子供たちのために、本当に頑張ってらっしゃる皆さん、お一人お一人に心から連帯の挨拶をいたします。各地でそしてまた社民党のためにも頑張って下さっている皆さん、本当にありがとうございます。大変、お世話になっております。また鳩山代表からもありました、社民党も推薦いたしました静岡県知事、誕生したことを本当にうれしく思っています。日頃のご支援、本当にありがとうございます。(中略)
私は政権が変われば、というか新しい政治になればやっぱり皆さん、教育基本法、元に戻したい、そう思います。(会場拍手)そして先生の教員免許10年の更新制、現場は冗談じゃない、こんなに忙しいのに。悲鳴を上げています。皆さんこれはもちろん世論の後押しも必要ですが、本当に免許更新制、必要なのか一緒に声を上げていきましょう(会場拍手)。私は学校現場で自由と平等を学びました。子供たちは毎日食べるご飯のように教育の現場でいろんなことを学びます。私は学校の現場で自由と平等を学びました。そして私は思います。先生たちが元気でなければ子供たちに元気をプレゼントできません。先生たちが希望をもってこの社会を変えるぞと確信を持っていなければ子供たちに希望を与えることはできません。組合はまさに連帯そのものです。一緒に未来の子供たちのためにともに力を合わせていく。社民党は子供の貧困ゼロ社会へ、すべての子供に確かなスタートを。こんな提言もつくりました。皆さんと一緒に社民党頑張ると申しあげ、そして政治を変えようと申しあげ、私党首の心からの挨拶といたします。日教組の躍進を心から期待をしています。一緒に頑張りましょう。
輿石東氏:第97回大会にご参加の代議員の皆さん、傍聴人の皆さん、大変ご苦労さまでございます。(鳩山、福島両氏らが退席したので)身内だけになりました(会場笑い)。挨拶も6人目になると早く終わってほしい。そんな心境かと思います。日政連議員団の紹介もありました。おかげ様で、私を除いて全員、先生元気になるという挨拶もありました。日政連、元気にやれ。もう一つ、ご紹介をしておきたい。夏が来れば高校野球もやってきます。私たちに夢をくれます。高木連合会長、高校時代に日政連議員の愛知県教組(元委員長)の(民主党の)佐藤泰介議員とコンビを組んで、バッテリーを組んでいた。どちらが投げた方かといったら佐藤泰介さん。受け取ってくれたのは高木会長。まさに日教組、中村委員長が連合に教育問題をビシッと投げ込む、それを高木会長が受け取り岡部委員長(※ママ、自治労出身の会長代行のことか?)がサポートしてくれる。そういう仲間がいる。だからもう少し前へ出よう、外に出よう、対話をしようというのが中村委員長の挨拶だったと思います。
最初に委員長さんが歴史の転換期、歴史が変わるときの97回大会だと位置づけてくれました。そして、悩みがあっても誰にも相談できないのが、教育現場だ。しかし日教組に仲間がいる、手をつなげる仲間がいる。だからみんなで横に手をつなごうというご挨拶だったと思う。そしてもう一つ静岡県教組の加藤委員長以下、執行部の皆さん、川勝勝利に向けてありがとうございました。私は1日にはいって大変ご迷惑をおかけしました。そんな中で私は中村委員長が冒頭に、子供の貧困という言葉が飛び出してくる、こんな情けない日本にどうしてなってしまったのか。そしてまた最後は、希望の国日本をつくりたい。鳩山さんは、教育が日本の未来をつくるといって帰っていったじゃないですか。川勝さんの紹介も鳩山さんからありました。私も直々に1日に候補と会って、もう今度は知事になるわけですから。新知事、この人が一に勉強二に勉強、三に勉強と言ったから、鳩山さんじゃないけれど、子供たちにどんどん勉強を押し込むものなのかなと思ったら、サッチャーさん、ブレアさんのマネをしたのかな、一に教育二に教育、三に教育といった政権。しかしそうではなく、言われたように、一に教育は学校教育、二の教育は現場主義と言われた現場での学び。学校を卒業し職場を持ち、現場に入りそこで何を学ぶか。最後は鳩山さんは思いやりといったけれども、人間の生き方、その理念が思いやりであり、友愛であり、ともに生きるという理念だと思うのであります。それはまさに生涯学習という言葉でくくれるのかも知れません。
その中での学校教育はどうあるのか。学校だけが責任を背負ってはいけない。叩かれたら怒りを覚えて立ち上がる。辛抱強い日教組になった、一見賞められているかのように思うけれど、抵抗勢力だけでもだめでしょう。政治を抜きに教育はありません。教育を語るとき、政治を語らなければならない現実だと思います。だからこそ静岡の勝利を東京につないでいただいてまさに高木会長の言われる政権交代の夏にしていただきたいと思うのであります。私たち日政連、そして来年の夏はもう決定していただいた那谷屋勝利に向けて全力をお願いしたいと思うわけであります。私も微力ではありますけれど、子供のために日本の教育再生のために、先頭に立つことをお誓い申しあげ、三日間の大会が有意義に終わっていただきますことを重ねてお願い申しあげ、ご挨拶にかえます。ありがとうございました。
…よくもまあ、違法行為も含まれるであろう教育公務員の政治的活動をここまで高らかに臆面なく称賛できるものです。なんにしろ、政権交代は実現するんでしょうが、そうなったら、これから行われる衆院選での支援活動も含め、民主党や連立相手の社民党に恩をいっぱい着せている日教組は、さまざまな要求をしてくるんでしょうねえ。そしてたぶん、民主党はそれをはね除けられないどころか、嬉々として実行していくのでしょう。
なんかいいことないかなあと、子供のようなことを叫びたくなるきょうこのごろです。
ああ、いいことと言えば、自宅の狭いベランダで、子供が植えた朝顔が昨日、花を咲かせました。
by kyokyoton
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