心の理論
テーマ:優良書籍全回紹介した本は、「心の理論」 と呼ばれる物だ。
この本は、短大や大学でも教材として使われているようで、内容を理解していない子供程「こころのりろん」と
言う言葉を使いたがる。
ところが、この「心の理論」というのは、ロマンチックなモノでは無い。
原書の題名が「マインドブラインドネス」と命名している位で、「マインド」について語ったものである。
日本語で「こころ」というと「ハート」と間違うが、「ハート」では無い。「マインド」だ。
「マインド」を英和辞典で調べると、色々出てくる。これら全てを含んでの命名なんだろうけど、
中でも一つを選び出すとなると「気分」では無いだろうか。
「マインドブラインドネス」 =「自分の『気分』の状態を察知出来ないヒト」
「気分」を知ると言う事は、非常に大切な事だ。
私が、ある仕事をする。気が乗らない。やる気がしない。しかし、現実にはそんな事を無視して、仕事に邁進する。
ところが、ある日突然、会社に行けなくなる。仕事が出来なくなる。嫌で嫌でお客さんの電話に出られなくなる。
もし、自分の「気分」を事前に察知できていれば。 気分転換という、「定形発達」の人たちと同じ事が出来たなら、
事はここまで、もつれない。
しかし、私はそれが出来ない。 だから、いつも、もつれる。
抗鬱剤を飲む事によって、大分良くなった。さらに、自分の特性をしって、とにかくトラブルになりそうなものからは
なるべく近寄らないという知恵がついた。
こんな知恵がついたのは、ようやく50才になった頃からだ。
と言っても、今も原告浅見淳子 原告浅見昇吾と 名誉毀損による損害賠償事件を裁判で争っているから、
本質は変わらないけどね。
とにかく、素晴らしい本 であり、自閉症の理解には欠かせない本なんだけど、チョイ読みの人に誤解を与える本でもあるんだな。
読みこなすには、それ相応の知能と知性がいるんだ。
1 ■MIND
面白い話題ですね。
私は思うんですが、バロン・コーエン等が「Mind Blindness」という言葉を遣うとき、それは病理学上での用法ではなく、あくまでもTheory of Mind Mechanism(ToMM)「心の理論」上での「Mind」のことだと理解しているんです。
なので私の考えでは、「気分」というのはちょっとしっくりこない。
「気分」という言葉の定義にもよると思うので、もう少し説明して頂けたら有難いですね。
ご存じのように、病理学上ではMind BlindnessはPsychical Blindness、Soul Blindnessとも言われ、「精神盲」のことです。
視覚は正常だが、見えるものを関連付けたり意味づけたりする脳の部分が脳卒中などで器質障害を受けた状態、身体障害と呼ぶべきもののことで、見えてるけどそれが何だかわからない、というような症状らしいです。
この脳卒中の後遺症などで見られる精神盲は、身体(精神ではなく)障害者として認定されるもののようです。
あんまり詳しくなくてごめんなさい。
バロン・コーエン等はそうではなくて、あくまでも心の理論で言うところの「Mind」を指して、Mind Blindnessという言葉を遣っている。精神盲のことじゃなくて。
ここの部分をきちんと区別して使わないと、一般的に色々と誤解が生じることになると思うので、重要かなって思ってます。
「マインドブラインドネス」を読んで理解するには、知能と知性が必要とのことですが、この「知性」というのもmindという言葉を遣うのが一般的だと思っています。
私の場合知能指数が高くないし、心(mind)の理論が欠損していると仮定されているので、この本を理解するのはよほど難しいってことですね。
よく理解できてないのかもしれないけど、本は面白かったですよ。
用語・語彙などは、あらかじめどのような分野で遣われ、どのように定義するか、をはっきりさせておかないと、同じ用語を使って議論していても全く同じ土俵に上がってないってことになりますから、注意が必要と思ってます。
申し遅れましたがASD当事者です。以後よろしゅうに。