クラフトマングループ:PP MOBLERアイナー・ペンデルセン親子の協力により31年の眠りから…
デザインは実現する技術と出会って初めて形となりますが、この作品もそんなストーリーを持った一つ。
1986年秋のSE展と呼ばれる展示会に出品され話題を呼んだこのPP130のデザインがウェグナーによって
引かれたのはさかのぼる事およそ30年前:1965年の事。
ウェグナーはアイデアが浮かべばスケッチし、5分の1の図面やスモールモデルで大まかな(イメージ・作業効率などの)確認を行い
、その後試作品を経て商品化し顧客に届けられる…そんな流れを経ますが、これはスケッチに起こしたもののその後ずっと眠っていた
作品(当初は金属パイプで・・と考えていたそうです)。
そんな作品が永い眠りを経て世に出る事が出来たのは、クラフトマングループ:PP MOBLERアイナー・ペンデルセン親子
の協力によるものでした。この丸いフレームをラミネートで完成させるための加工機械を考案・開発の成功により始めて形に
する事が可能となったのです。
またPP130の特徴とも言える美しいロープワークはヨットに使用するものを採用。ただヨットで用いられている様な結び目を作ってしまうと背に当たって快適性を損ねてしまう事から、全てを金具留め。
どんなモノでもデザイナー・職人、双方の技術・敬意があって初めて実現すると言いますが、これはそんな最もたる例と言えるのではないでしょうか。
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