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産経新聞
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実物大ガンダムが台場に立つまで 製作陣の奮闘

東京・お台場に作られた18メートルの巨大ガンダム像。製作した乃村工藝社の奮闘を追った。

 東京・お台場の潮風公園にアニメの設定と等身大の18メートルの巨大「機動戦士ガンダム」が登場した。アニメ放映から30周年を記念し製作されたもので、緑あふれる都市再生と魅力あふれるまちづくりを目指す「GREEN TOKYO ガンダムプロジェクト」の一環として、7月11日から8月31日まで公開される。製作を手掛けているのが、乃村工藝社だ。立ち姿では初となる等身大ガンダムは、「ガンプラ」みたいに簡単には組み立てられない。展示物のエキスパートたちの奮闘を追った。

一歩踏み出す立ち姿

画像 東京・お台場に姿をあらわした

 「30周年目の再スタート『For the next step』をテーマに、左足を一歩踏み出している姿をデザインした」

 デザインを担当したCC事業本部クリエイティブ統括デザイン4部の川原正毅さんは、力強いガンダムにこだわった。

 ところが、この「一歩踏み出す」が大問題だった。

 川原さんは「私はデザインするだけだったが、それを実現する設計チームは本当に大変だったと思う」と、仲間たちに“同情”を寄せる。

 左右均等の直立不動ならまだしも、動きのある等身大の再現は、設計段階から悪戦苦闘を強いられた。

 設計では、白い装甲板を意識的にずらしたり、左手と右手の高さを変えることで、今にも動き出しそうなリアルさを出すための工夫が凝らされている。

 さらに一歩踏み出す姿勢のため、上半身と下半身が3・58度ねじれる設計になった。忠実にこのねじれを実現するには、各パーツを絶妙な角度で配置する必要がある。

 「足の位置を間違えて、内またでオカマっぽいガンダムになってしまったりした。足元の鉄骨のジョイントが1ミリずれただけで、上部では30センチもずれてしまうので、神経を使う作業でした」

 設計を担当したCC事業本部クリエイティブ統括部設計管理部の白石康展さんは、こう振り返る。

潮風に負けない

 こうして設計が完成し、いよいよ製作作業に入ったのが、1年前だ。

 木工技術が進んでいるタイで各パーツの原型を製作した。

 ガンダムが大地に立つ潮風公園は、その名前の通り潮風が強く吹きつけるうえ、埋め立て地で地盤も強固ではない。

 このため、素材には高い耐久性を備えながらも、軽量で加工をしやすい「ファイバー・レイン・プラスチック(FRP)」を採用した。サーフボードや鉄道車両にも使われている素材だ。

 パーツの原型は、国内に運ばれ、塗装工場で塗装作業に入った。

 本体のほとんどが白色のため、どうしても単調になってしまう。そこで、階調を4段階にしたり、グレーを混ぜたりすることで、変化を持たせた。

 そして、いよいよ組み立て作業が始まった。

 まず土台となる足の部分を設置。胴や両腕、頭部は、それぞれのパーツごとに地上で組み立てた後、クレーンでつり上げ、取り付けた。

 通常なら、鉄骨を溶接して組み立てるのだが、他の場所に移設することも想定し、組み立てた順番に解体できるようになっている。

 CC事業部営業第1統括部営業1部の今澤利隆さんは「普段の仕事は、縁の下の力持ちになることが多いが、等身大ガンダムの製作は当社の設計や施工力をPRする絶好の機会になった」と話す。

ガンダム世代の底力

 製作に携わった多くのメンバーが、40代前後のガンダム世代だ。

 「放っておいてもモチベーションは上がりました。皆で、いろいろなアイデアを出しながら、いい作品が完成した」(川原さん)

 ガンダムの頭部は、上下左右に動き、目や肩などが発光したり、胸や背中から霧が噴き出すなどの機能も備えている。

 川原さんは「とにかく潮風公園に行って、巨大ガンダムの足もとで巨大さを実感してもらいたい」とアピールする。

 最近は、インターネットのバーチャル体験で満足してしまう人が多いが、このガンダムの素晴らしさだけは実際に見ないとわからない。

 大地に力強く踏み出して立つ等身大ガンダムと会うため、お台場に出かけよう!

copyright (c) 2009 Sankei Digital All rights reserved.


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