出雲市内の中学2年男子(13)が自宅で父親(43)を刺殺した疑いで補導された事件で、市教委は8日、記者会見を開き、次男の少年が父親から成績を理由に厳しくしかられた、と中学校に相談していたことを明らかにした。少年は何度かたたかれたとも話していたという。島根県警も相談内容などを把握しており、動機に結びつく可能性があるとみて慎重に調べている。
市教委によると、少年は昨年11月までに、父親から頭などを複数回たたかれ、中学校のカウンセラーに「成績のことで父親から厳しくしかられた」と相談。一晩、家出したこともあるという。校長が市教委のソーシャルスクールワーカーとの面会を求めたが、実現しなかった。
出雲署などの調べでは、少年は7日午前、父親の首をフィッシングナイフで刺して殺害した疑いが持たれている。少年は父親、母親(42)、長男(20)の4人暮らし。午前8時20分ごろ、登校していることから、母親と長男が8時ごろ家を出発した後、登校前に父親を刺したとみている。
司法解剖で、死因は頸(けい)動脈損傷による失血死と判明。ほかに外傷は無かった。さらに、争った形跡が無いことから、県警は少年が殺意を持ち、父親の不意をついて刺した可能性があるとみている。家族はナイフに「見覚えがない」としており、少年が事前に準備した可能性があるという。
さらに、県警などによると、自宅から父親への殺害をほのめかすメモが見つかり、友人にも父親への不満を漏らしたという。今後、通告を受けた出雲児童相談所が、調査や行動観察をし家裁への送致を判断する。
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