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【2009都議選】

とうきょうご当地争点<4> 開かずの踏切 立体交差化 誰が推進?

2009年7月6日

朝の通勤時間帯には「開かずの踏切」でバスや乗用車の長い行列ができる

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 東京都中野区内を東西に走る西武新宿線の踏切は平日の午前八時すぎ、遮断機が下りたまま、五分が経過した。片側二車線の道路では満員のバスを含む車の列が百メートルを超えた。

 この踏切は新井薬師前−沼袋間と中野通りが交差する地点にある。通勤時間帯は一時間のうち計四十七分間も通れない。近くで建材店を営む男性(63)は「遮断機をくぐり抜ける人もいて危ない」と話す。

 区によると、西武新宿線の踏切は区内に二十カ所。うち十八カ所が朝のラッシュ時に計四十分以上遮断する「開かずの踏切」だ。

 「区を南北に分断してきた開かずの踏切の解消は、区民の悲願なんです」。地下化の実現を促進するために区民や区議会でつくる踏切渋滞解消促進期成同盟の石川誠一会長(87)は強調する。

 その悲願は昨年、転機を迎えた。国土交通省が中井−野方間(約二・六キロ)を連続立体交差化する新規着工準備区間として認定。完成すれば踏切九カ所が解消される。都が事業主体だが、総事業費六百億円のうち国が約四割を負担。現在、都は地下化か高架化のどちらが良いかを調査しており、住民は地下化を前提にして跡地に遊歩道の設置などの検討を進めているという。

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 都議選立候補者六人は西武新宿線の連続立体交差化の推進を主張する。自民・川井重勇さんは「国の道路特定財源が使われる事業の推進にこぎつけたのは自民党の実績だ。ガソリン税などの暫定税率を廃止しようとする野党にはできない」。

 政権交代すれば暫定税率を廃止する民主の西沢圭太さんは「税金の無駄遣いをなくせば、必要な事業はできる」と話す。

 住民には「いつ工事が始まるんだ」と不満を漏らす声もある。石川さんは「多額の税金を使う公共事業。国も都も慎重になるのは当然だ」と話し、こう続けた。

 「誰が勝っても負けても、都議は一緒に立ち向かってくれるはずだ。ただ都議会も国会もどこが与党になるか分からない。重要なのは誰が運動の先頭に立ち、国とのパイプ役になってくれるかだ」

◆中野区(定数四)

高倉良生52 党総支部長 公現<1>

吉田康一郎42 都社福審委員 民現<1>

川井重勇61 党都議会役員 自現<3>

植木紘二65 党都委員 共現<4>

西沢圭太30 (元)衆院議員秘書 民新 =ネ

高橋一実48 (元)衆院議員秘書 自新

 (届け出順)

 

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