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【2009都議選】とうきょうご当地争点<2> 歌舞伎町対策 歓楽街 浄化か活気か2009年7月4日
午後六時。東京・歌舞伎町の新宿コマ劇場周辺に「客引き、キャッチは違法行為です」というアナウンスが繰り返し流れる。黄緑色のベストを着た男たちが、人込みにじっと目を凝らす。 歌舞伎町商店街振興組合が二年前に始めたパトロールの様子だ。この街に向けられた「犯罪の温床」という負のイメージを払しょくしようと活動を続けている。ホストクラブの若者たちも協力するようになった。 都議選の各候補も歌舞伎町からの「違法行為の排除」をまず口にする。無所属の鈴木亮介さんは一人で演説中に、暴力団風の男にからまれた経験があるだけに切実に語った。 こうした「浄化作戦」が効果を上げる一方、「活気が失われた」との声もある。昨年末には街のシンボルだった新宿コマ劇場が閉館。跡地の再開発計画も白紙状態のため、街は先行きの不透明感に包まれている。 公明・吉倉正美さんは「政治がリーダーシップを執り、渋谷文化村のようなものを誘致してはどうか」と訴える。自民・吉住健一さんも「親子で行ける娯楽施設の誘致」と新たな施設誘致で局面打開を試みる考えだ。 一方、民主・猪爪まさみさんは誘致策は唱えず、「風営法を改正し、健全経営している風俗店は営業時間を延長すべきだ。大人が楽しめる街にしないと歌舞伎町の火は消えてしまう」と指摘した。 自民・秋田一郎さんは「街づくりは地元の人が決めること。それを後押しするのが政治」と、あえて方向性を示さなかった。 共産の大山とも子さんは「歌舞伎町に元気を取り戻すには、庶民の懐が温かくなること」と、雇用・景気対策の重要性を説く。 歌舞伎町は今年、ミシュランの観光地ガイドで二つ星を獲得。近年、中国の富裕層など増加する外国人観光客の誘致が、浮沈のカギといわれる。 同組合の片桐基次理事長は「本当の意味で『日本一の歓楽街』にするには、多言語の案内板なども必要。議員のみなさまにぜひ協力していただきたい」と協力を呼び掛けた。 ◆新宿区(定数四)後藤麻衣36 女優 無新 猪爪まさみ53 党支部長 民現<1> 吉住健一37 (元)新宿区議 自新 吉倉正美58 党総支部長 公現<1> 櫛田幸輔29 幸福実現党員 諸新 大山とも子53 党都議団役員 共現<4> 鈴木亮介31 (元)会社員 無新 秋田一郎43 党都議会副幹事長 自現<2>
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