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【2009都議選】

とうきょうご当地争点<5> ごみ処理施設 避けて通れぬ建設問題

2009年7月7日

 「都議選と国政は関係ありませんよ。私の最大公約は小金井のごみ問題の解決です」。通勤客が行き交うJR武蔵小金井駅前で、自民の高木真人さんは訴えた。ここでの演説で高木さんが「ごみ問題」と口にしたのは五十回以上。「石原知事に目を向けさせ、解決できるのは与党の自民党しかない」

 菅直人民主党代表代行の地元にあたる小金井市選挙区。一九八九年に北多摩2から分区されて以来、五連敗中の自民にとって、議席獲得は悲願だ。定数一をめぐり、三人の候補全員が市民に身近なごみ処理施設建設問題の解決を公約に掲げ、激しく争う。

 知事とのパイプを強調する自民陣営に、民主現職の西岡真一郎さんも負けじと声を上げる。「この四年間、解決のため、都や関係自治体に必死になって働きかけてきた」と、同市の危機回避に都などが腰を上げたことへの実績を強調。「都の支援は大変重要。これからも一生懸命汗をかいていく」と誓った。

 自民対民主の構図に無所属・高木章成さんが割って入ったのも、長引くごみ問題が大きな動機だった。脳性まひの障害を抱えながら街頭へ。「ごみの減量や処理施設の建設場所決定に都政の力を引き出す」と主張。解決に向け、非焼却方式の導入も提案している。

 ごみ問題を争点に熱くなることを懸念する声もある。ある陣営関係者は「本来、一般廃棄物の処理は市町村の固有事務。都は調整はできるが、主体ではない」と漏らす。

 都議を複数期務めた男性は「選挙は結局、スローガン。地域で関心のある問題なので触れざるを得ないでしょう」と冷ややかだ。

 ごみ問題を扱うシンクタンク「ダイナックス都市環境研究所」(港区)の佐久間信一副所長は「都が自治体間を調整したとしても、建設地周辺住民の理解という高いハードルが残る」と指摘する。

 二〇〇七年まで稼働した二枚橋焼却場の跡地の周辺住民らでつくる「小金井東部の環境を良くする会」の小出広志会長(91)は「われわれは四十年来苦しみ、ここでの新施設建設に反対している。候補者は当選するため、都合の良いことを言っている」と批判した。

 小金井市のごみ問題 可燃ごみ処理施設がない小金井市は、調布、府中との3市にまたがる二枚橋焼却場跡地に施設の新設を計画、2月までに正式決定する予定だったが、調布市などの反対で先送りに。この先送りを「約束違反」として、ごみ処理を引き受けてきた周辺自治体が相次いで受け入れ継続を拒否。都などが仲裁し、八王子市などが受け入れを表明。ごみ処理不能となる危機は回避され、小金井、調布、府中市がこの問題を話し合う協議会も設置されたが、進展を見せていない。

◆小金井市(定数一)

高木真人50 (元)小金井市議 自新

西岡真一郎40 党支部長 民現<1> =国

高木章成33 市民団体役員 無新 

 (届け出順)

 

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