【ウルムチ(中国新疆ウイグル自治区)=尾崎実】中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチの混乱が続いている。7日には漢民族1万人以上がデモ行進し、一部が暴徒化してウイグル族経営の商店を襲撃するなど暴動は拡大した。双方が被害者意識を強めており、民族間の対立がさらに激化している。同自治区の王楽泉共産党委員会書記は7日、車での夜間外出禁止令を発令した。
中国当局によると7日までの暴動の犠牲者は156人。民族別の内訳は「公安当局が調査中」(ウルムチ市長)。ウイグル族側は発端となった5日の暴動を「平和的なデモ」と主張しているが、当局の発砲で死者が出たのか、当局が指摘するように「暴力的なデモ」で漢民族が被害を受けたのかはっきりしない。
ウイグル族の死者が多数なら鎮圧方法の是非が問われ、漢民族が多ければウイグル族への怒りにさらに火を付ける。当局は大量の部隊を投入しながら事態収拾の兆しは見えず、民族問題という中国の難題の根深さを改めて浮き彫りにした。
(07日 22:39)