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G8 北を強く非難 サミット首脳宣言 拉致解決にも言及 

7月9日15時50分配信 産経新聞

G8 北を強く非難 サミット首脳宣言 拉致解決にも言及 
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8日、ラクイラ・サミットで、G8首脳会合に臨む(手前から)メドベージェフ・ロシア大統領、メルケル・ドイツ首相、麻生首相、ベルルスコーニ・イタリア首相(代表撮影)(写真:産経新聞)
 【ローマ=今堀守通、比嘉一隆】主要国首脳会議(ラクイラ・サミット)は8日夜(日本時間9日未明)、主要8カ国(G8)が政治・安全保障問題を討議し、北朝鮮の核・弾道ミサイル発射実験を強く非難、国連安全保障理事会決議1874号の制裁規定を「完全かつ透明性をもって履行することを国際社会に要請する」とした首脳宣言を取りまとめた。核不拡散では、6日の米露首脳会談での核軍縮に関する合意を歓迎、「核兵器のない世界の状況を作ることを約束する」とした。

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 ■温室ガス「先進国80%減」 

 北朝鮮問題では、麻生太郎首相が核・ミサイル実験に対し「国際社会の声を無視するものだ。断固とした立場で臨むべきだ」と主張。各国首脳からは「北朝鮮の問題はアジアだけの問題ではない」と首相を支持する発言が相次いだ。

 首相は拉致問題も取り上げ、首脳宣言には「北朝鮮が、拉致問題を含む人道上の問題に対する国際社会の懸念に直ちに取り組むことを要請する」との文言が盛り込まれた。

 イラン問題では、大統領選後に市民の行動(デモ)規制、言論抑圧、英国大使館員や報道関係者などの拘束・逮捕が相次いでいる現状に、各国首脳が強い遺憾の意を表明した。ウラン濃縮活動を継続していることにも深い懸念を示し、G8として、連帯してイランに即時停止を強く求めることで一致した。

 政治問題の前には、地球温暖化や経済問題にかかわる首脳宣言を発表した。温室効果ガス排出削減の長期目標について、世界全体で「2050年までに少なくとも半減」という昨年のサミット合意を再確認。新興国も支持することを前提に、先進国全体で「50年までに80%、またはそれ以上削減」との新たな目標を掲げることで合意した。

 地球温暖化では、産業革命以前の水準から世界全体の平均気温上昇が「2度」を超えないようにすべきとの認識を共有。先進国が負う「80%」のガス排出削減の目標の基準年を、日米と欧州の意見の相違を踏まえ「1990年または、より最近の複数年比」とした。

 一方、新興国は数値目標を課せられることに反発していることから、G8に新興国を加えた17カ国が9日午後(日本時間9日夜)に開く主要経済国フォーラム(MEF)の首脳宣言で、数値目標が盛り込まれるかは不透明だ。

 アフリカを中心とする途上国支援をめぐっては、G8が誓約した、開発支援の実施状況を確認する作業部会設置が盛り込まれた。

                   ◇

【G8首脳宣言の骨子】

 一、北朝鮮の再核実験やミサイル発射を「最も強い表現」で非難。国連安全保障理事会制裁決議履行を国際社会に要請

 一、北朝鮮に対し拉致問題に直ちに取り組むよう要請

 一、イランの大統領選後の混乱に関し、市民の犠牲や言論抑圧に強い遺憾の意

 一、米国とロシアによる戦略核弾頭削減合意を歓迎。「核兵器のない世界」に向けた状況をつくると約束

 一、2050年までに先進国で80%以上、世界全体で50%以上の温室効果ガス削減が目標

 一、世界経済は安定化の兆候があるが、不確実で大きなリスクが引き続き存在

 一、景気回復が確実になった際の「出口戦略」の必要性に合意

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最終更新:7月9日16時29分

産経新聞

 

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