「普通は帰らない」胡錦濤主席帰国に驚く各国
2009年7月8日(水)23時37分配信 読売新聞
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【ラクイラ=黒瀬悦成、加藤淳】中国の胡錦濤国家主席がラクイラ・サミットの開幕直前にイタリアから緊急帰国したことについて、サミット参加各国は「国内が大変だと思ったのだろうが、普通は国際会議から帰らない」(日本政府筋)と驚きをもって受け止めている。
胡主席との会談を予定していた首脳も多く、改めて仕切り直しを迫られた格好だ。
米ホワイトハウスのマイク・フローマン国家安全保障担当副補佐官は8日、記者団に対し、9日に予定されていたオバマ大統領と胡主席との首脳会談が中止されたことを公式に確認した。副補佐官はその上で、「中国とはひざ詰めで話し合うべき広範囲の議題があり、次回会談が近く開かれることを期待する」と述べた。
ギブス米大統領報道官によると、代わりに米中の代表団による実務者協議が開かれる見通し。報道官は、大統領は情報機関からの情勢報告を毎日受けており、「引き続き事態を注視している」と述べた。
また、日中両政府もサミットに合わせ、8日にも麻生首相と胡主席の首脳会談を開き、北朝鮮や気候変動などの問題を協議する予定だった。5月の北朝鮮の核実験後、日中首脳が直接会談する初めての機会だっただけに、日本側には「目算が狂った」との思いが強い。
ただ、日本政府は、今回の胡主席の欠席が一連の会合に与える影響は「限定的」と見ている。河村官房長官は8日の記者会見で、「中国の出席がかなわないのであれば、その点も含めて協議がなされるだろう。いろいろ工夫されて議論が進められるのではないか」と述べた。