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「河村市長を批判するな」 名古屋市議にクレーム続々(1/2ページ)

2009年7月8日9時25分

 名古屋市の河村たかし市長肝いりの市民税減税基本条例を、市議会6月定例会で成立させることを見送った市議会各会派に、非難の電話やメールなどが相次いでいたことがわかった。匿名で脅しまがいの苦情もあり、「圧力」と感じた市議もいる。河村市長への高い期待が過剰反応し、「市長批判は許さない」という問答無用のクレームを生んでいるようだ。

 7日朝、自民党市議団幹部の自宅に選挙区内の男性から「減税に反対するとは何事か」と電話がかかってきた。前日の財政福祉委員会で決めた「減税条例案見送り」が新聞各紙で報じられたばかりだった。

 市長選で河村市長の対立候補を支援した「野党」の自民には、6月の議会開会以前から、抗議が相次いでおり、同月29日には一般質問で桜井治幸団長が「ここに立つことについても逡巡(しゅんじゅん)したが、手紙や電話やメールで抗議を受けているのはどう思うか」と河村市長に異例の質問をした。

 自民と協力態勢をとる公明には、市長の公約でもある「外郭団体改革」を進める質問に激励が寄せられた一方、市長給与を800万円に減額する条例案への質問で「ゼロにしてみては」と発言したところ、「何でそんなに市長をいじめるんだ」と市議の事務所に3件、控室に1件、党本部のHPに数件の苦情の書き込みがあった。同市議団幹部は「松原武久前市長時代にはこんなに苦情が寄せられたことはない」と話す。

 市長選で推薦した「与党」の立場でありながら見送りを決めた民主にも、抗議が寄せられている。中堅市議は「脅しの電話は何度もあり、露骨に『月夜の晩ばかりでないからな』と言われたこともある」という。別の民主市議団幹部には、市民税減税条例案の委員会審議で別の幹部がテレビインタビューに応じた後、「なぜ河村さんのやることに反対するのか。2年後(の選挙)は危ないぞ」と電子メールが届いた。「反対しているわけではないのに、政策についてちょっとでも意見をつけただけで、『反市長』ととられてしまい、すぐ電話がかかってくる」とこぼす。

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