6月21日から“最後の全国ツアー”を展開中のシンガー・ソングライター、吉田拓郎(63)が8日、大阪・グランキューブ大阪で予定されていたコンサートで、本番前のリハーサル後に「体調不良」を訴え、公演が中止される事態になった。拓郎はいったん市内のホテルで静養した後、車で大阪を発(た)って帰京。主治医の判断次第では都内の病院に入院するという。拓郎は前回07年8月からのツアーでもへんとう炎の後、慢性気管支炎と胸膜炎を発症し、2日目で中止に追い込まれている。
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拓郎がまたしてもダウンした。この日、午後2時半ごろに会場入りした拓郎は、本番に備えて同3時45分ごろからリハーサルを始めたが、関係者によると、途中で「過度な動きはできない。歌が歌えない。フラフラするし、立っているのが辛い」などと訴えたという。
このため、同4時半ごろにリハーサルは中断されたが、顔色も悪かったということで、開演わずか1時間前の同5時半ごろに急きょコンサートの中止が決定された。
今回の全国ツアー「Have A Nice Day LIVE 2009」は拓郎の体調面なども考慮。比較的、間隔をとって日程が組まれていたが、実は体調はここ2、3日、あまりよくなかったもようだ。
前日7日に新幹線で大阪入りする際も「しんどい」などと話し、気分がすぐれなかったために名古屋で緊急下車。ホテルでしばらく休養してから車に乗り換えて大阪に向かい、ホテルに入ったのは夜11時過ぎになってしまったという。
ツアー初日(6月21日)の名古屋公演では「もういいや、というのが本音。私も年とっちゃったし」と話し“最後”という思いで臨んでいた全国ツアー。それだけに拓郎自身、体調管理には十分努めていた。
03年4月に肺がん摘出手術を受けてからはたばこを一切やめ、今回のツアーでも酒を控え、打ち上げの席への出席さえも見合わせている。それだけに、中止の事態を招いたことに拓郎は「残念だなあ」と話しているという。
ツアーは現在、今月4日の東京国際フォーラムまで、全10公演のうち4公演を消化。まだ医師の診断は受けてないが、都内の主治医の診断次第では入院する可能性も否定できない。14日の福岡・福岡サンパレスから8月3日の東京・NHKホールまで、この日の大阪以外に残る5公演の開催も微妙な状況だ。