県内ニュース新型インフルエンザ発生未確認、山形県だけ
2009年07月08日 08:03
世界的大流行(パンデミック)が宣言され、日本国内でも1850人以上が感染した新型インフルエンザだが、7日現在、47都道府県で唯一、本県内の発生は確認されていない。「どうして?」「健康的な生活を送る家庭が多いから?」とは街の声。専門家は「これだけ国内で拡大している中、山形だけ確認されていないのは偶然だろう。秋冬に大流行する可能性があり、油断は禁物」としている。新型インフルエンザの感染者は、世界保健機関(WHO)の6日現在の発表で、135の国と地域の約9万4500人。日本国内では、厚労省による7日午前の発表で45都道府県、1852人に上った。本県同様、感染が確認されていなかった青森県内で7日、青森市内に滞在する10代のベトナム人男子高校生が感染したことが分かり、本県が唯一の“未発生県”となった。 国立病院機構仙台医療センターの西村秀一ウイルスセンター長(新庄市出身)は「山形だけ確認されていないのは偶然」とした上で、感染者が発熱外来を受診せず「確認」されないケースもあるのではないか、と指摘する。インフルエンザが流行しやすい今秋以降に備え、「県は関係機関と十分連携を取り対応を講じることが大事」と注文する。 県によると、各保健所などに寄せられる相談はここ数日、1日当たり10件前後で推移し、6日現在の累計で3138件。発熱外来の受診者は計24人で、このうち11人が詳細(PCR)検査を行った。「(発生のない)最後の県になったのは偶然」と県危機管理室は冷静に受け止め、「いずれ県内でも発生するはず。重症化しやすい患者の救命を重視した態勢づくりを、これまで通り進めていくだけだ」としている。 一方、街の反応はどうか。山形市七日町で買い物をしていた同市緑町4丁目、パート田中寿子さん(40)は「さまざまな報道の影響で、市民が手洗いやうがいを徹底したのではないか」と自ら実践した対応策を口にした。女子高校生2人組は、山形だけが感染確認がないことを聞き「本当ですか」「不思議?」と驚いた様子。同市諏訪町2丁目、団体役員森田勲さん(66)は「しっかり食べ、十分な睡眠をとる健康的な生活が定着している家庭が多いからかな」と首をかしげていた。
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