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【静岡】

川勝知事、就任初の記者会見 搭乗率保証の廃止も視野

2009年7月9日

幹部職員を前に訓示する川勝平太知事(左)=8日午後、静岡県庁で

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『億単位損失の恐れ』と疑問視

 静岡県の川勝平太知事(60)は8日、就任初の記者会見に臨み、静岡空港の日本航空(JAL)福岡線の搭乗率が70%を下回った場合、県が支援金をJALに支払う搭乗率保証について、「今のままでは看過できない。制度も含めて見直す」と述べ、廃止も視野に検討する考えを示した。

 福岡線の搭乗率は、6月4日の開港から同30日までの約1カ月間で平均59・6%と、目標を大幅に下回っている。川勝知事は「この制度はおかしい。見直しの時期までに億単位の損失を被りかねない」と疑問視していることを表明。

 搭乗率保証を導入している石川県の能登空港では、目標値の66%を超えた場合、利益が県に還元される事例を挙げ、「(静岡では)7割を超えても県に還元がない」と指摘し、「これまでの経緯を正確に把握し、なぜこうなったかを知った上で検討する」と語った。

 さらに、JAL福岡線を利用して10日に福岡県の麻生渡知事を訪れ、福岡線の需要拡大策などについて、話し合うことを明らかにした。

 知事選のマニフェストについても触れ、職員の外郭団体などへの天下りについて「原則禁止。公募制にし、あっせんはしない」と明言した。また“箱もの”の建設計画については「ゼロベースで見直す」と述べ、行政の無駄を徹底的に見直す方針を強調した。

就任式も“平太節”

 川勝平太知事は8日、就任会見に先立って県庁で就任式に臨み、「現場に出て、地に着いた仕事をやっていきたい。いい県政を皆さまと一緒につくっていきたい」と、約400人の幹部職員に向けて抱負を語った。

 川勝知事は「県民の負託に応えるように全力を尽くす」などと用意された原稿を読み上げると、続いて自らの言葉で語り始め、「私は職員の皆さんが仕事しやすい環境を支えることに徹したい」と述べた。

 さらに「遠慮なく『平太』と呼び付けても構いません。難しいかもしれませんが…」と笑いを誘う場面も。「私自身はやる気満々です。皆さんはいかがですか。イエス・オア・ノー」と問いかけるなど、早くも“平太節”を披露した。

 川勝知事はこの日午後1時すぎ、公用車で初登庁。出迎えた大勢の職員らの拍手に笑顔で応え、秘書室の女性職員などから花束を受け取った。

 知事室に入ると「県庁の皆さまから、県民性を表したような美しい表情で出迎えを受けて感動しました」と報道陣に漏らした。知事のいすに座った感想としては「日本の理想郷をこの地域につくっていこうと、情熱と夢がたぎっている」と述べた。

 川勝知事はこの日から静岡市葵区にある知事公舎に入居し、県政運営を本格化させる。

 川勝知事は5日の知事選で「静岡に“日本の理想”を創(つく)ろう」と訴え、72万8000票余りを獲得して初当選した。

 

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