アニメやマンガなどを展示する国の施設として09年度補正予算に117億円の設立費が計上された「国立メディア芸術総合センター(仮称)」設立準備委員会の初会合が2日、文化庁で開かれた。民主党が「国営マンガ喫茶」と批判するなど設立を疑問視する声が強まる中「完成しても内容が今ひとつならたたかれる」「計画がつぶれれば永久にできない」など多くの委員が危機感をあらわにした。
準備委は漫画家の里中満智子氏ら各分野の14人で構成。作品を集めて残す「アーカイブ機能」を重視すべきだとの意見が多く、人材育成につながる事業の重要性も強調された。
運営を民間委託し、入場料など自己収入で基本経費をまかなうとする国の方針は「到底不可能」などと懸念する意見が続出。高塩至(いたる)文化庁次長は「人材育成や調査研究などにかかる費用は11年度以降、予算を獲得していきたい」とし、今回の補正予算とは別に、継続的に国費を投入する考えを明らかにした。【加藤隆寛】
毎日新聞 2009年7月3日 東京朝刊