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過って筋弛緩剤、業過致死容疑で医長書類送検へ 徳島

2009年7月10日5時32分

 徳島県鳴門市の健康保険鳴門病院(増田和彦院長)で昨年11月、解熱剤と間違えて名前のよく似た筋弛緩(しかん)剤を投与された患者が死亡した医療事故で、十分に確認せず投与を指示したとして、県警が内科の30代の女性医長を業務上過失致死容疑で書類送検する方針を固めたことが捜査関係者への取材でわかった。投与にかかわった看護師と薬剤師についても詰めの捜査をしている。

 県警によると、医長は08年11月17日午後9時ごろ、肺炎などで入院していた男性患者(70)が発熱したため、解熱作用のある副腎皮質ホルモン「サクシゾン」を処方しようと電子カルテに「サクシ」と入力。自動的に筋弛緩剤の「サクシン」が表示されたが、確認せずにクリックした。この指示で薬剤師が用意したサクシンを看護師が投与し、急性薬物中毒による呼吸不全で男性を死亡させた疑いが持たれている。

 鳴門病院は、両方の薬品名が紛らわしいため、03年ごろからサクシゾンの常備をやめていた。事故の半年前に採用された医長は、こうした事情を知らなかったという。

 しかし、県警は、電子カルテのパソコン操作を間違う可能性が予想できる上、名前の紛らわしい薬の一方が毒薬とわかっていたのに、医長が十分な確認を怠ったとみている。

 捜査関係者によると、筋弛緩剤と気づいた看護師は注意喚起の意味も込め、「投与はどれくらいの時間をかければいいのですか」と尋ねたが、医長が時間だけ答えたため指示通り投与したという。

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