SFファンの投票で選ばれる今年の「星雲賞」が、4~5日、栃木県那須塩原市で開かれた第48回日本SF大会で発表された。日本長編部門では、気鋭のSF作家として期待されながら、がんのため今年3月に34歳の若さで死去した伊藤計劃(けいかく)の「ハーモニー」が受賞した。故人の受賞は異例。
日本短編部門では、野尻抱介「南極点のピアピア動画」が受賞。野尻氏は2年連続の同部門受賞となった。星雲賞は、前年発表された作品の中から部門ごとの最優秀作品を選ぶもので、日本のSF賞のなかでも長い歴史を誇る。受賞作は次の通り。【佐々木宏之、渡辺圭】
▽日本長編部門:「ハーモニー」伊藤計劃(早川書房)▽同短編部門:「南極点のピアピア動画」野尻抱介(早川書房「SFマガジン4・5月号」掲載)▽海外長編部門:「時間封鎖」ロバート・チャールズ・ウィルスン(茂木健訳、東京創元社)▽同短篇部門:「商人と錬金術師の門」テッド・チャン(大森望訳、早川書房「SFマガジン1月号」掲載)▽メディア部門:「マクロスF(フロンティア)」河森正治・スタジオぬえ原作、河森正治総監督、菊地康仁監督(サテライト制作)▽コミック部門:「トライガンマキシマム」内藤泰弘(少年画報社)▽アート部門:加藤直之▽ノンフィクション部門:「世界のSFがやって来た!! ニッポンコン・ファイル2007」日本SF作家クラブ編集、小松左京監修(角川春樹事務所)▽自由部門:該当作なし
2009年7月7日