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【コラム】

中日春秋

2009年7月7日

 アンケートなどの、設問に対置される選択肢でよくみかけるのは、「A」か「B」か「どちらでもない」かという三者択一だ

▼この場合、結果が例えば「A−19%」「B−22%」「どちらでもない−59%」などということになっては調査目的を達したとは言えない。回答者の多くにAもBも選びたくないと思わせたなら、それは選択肢が悪いのである

▼いずれ近いうちに総選挙があるが、これも「A・自民党」中心か「B・民主党」中心か、という政権選択を迫る。それこそ世論調査によれば、Bが優勢のようだが、ここへきて鳩山民主党代表の個人献金虚偽記載問題が持ち上がった

▼またぞろ「説明責任」の言葉が飛び交うが、問題の核心は「説明」ではなく、その事実だ。Bに傾いていた人をがっかりさせるには、前代表の一件にもかかわらず、またもやカネの問題が出てきたという事実だけで十分であろう

▼積極的支持者ではなく、Aに失望して、やむを得ずBという消極的支持者は「どちらでもない」に向かうよりなくなるかもしれない。そういえば、少し前の神奈川県横須賀市長選ではAとBがともに推した候補が無所属の「どちらでもない」候補に敗れている

▼総選挙結果を占っていたのは都議選ではなく、あの市長選だった…。A、Bが、選択肢にふさわしい自覚を持たないと、そんな妙な結果にもなりかねない。

 

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