2009年04月15日 09時20分33秒
posted by matsujiro
バチカン神父が見た”あの日”の大臣(後編)
テーマ:日本の田植え祭応援
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正論編集部 03-3275-8925
バチカン神父が見た”あの日”の大臣(前編)はこちら
つづき
「入ってはいけないエリアに足を踏み入れたり、触ってはいけない展示品を素手で
数回触ったりした」というのも、私には大いに疑問です。
少なくとも私は、明らかに非常識とされる場面は目撃しませんでした。
一つだけ心当たりがあるとすれば、朝日新聞の記事に出てくる次のような指摘です。
《バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約三十センチのさくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという》
このときの様子は、私も覚えています。
さくというのは誤りで、実際はロープでしたが、中川前大臣がラオコーン像に見入るあまり、ロープを越えて近づいたのは確かです。
このため、そばにいた警備員がイタリア人ガイドに一言二言注意しましたが、中川前大臣はすぐに戻ったため、特に問題にはなりませんでした。「石像の台座に座る」こともしていません。記事が指摘するような「非常識な行動をとった」とは、私を含め周囲の誰も
思わなかったことだけは、述べておきたいと思います。
バチカン博物館は規模が大きく、普通に見学すれば五~六時間かかります。
そこを一時間半ほどで見て回り、しかも世界最大級の教会堂建築として知られる
サン・ピエトロ大聖堂まで見学したのですから、相当な急ぎ足で、とても「フラフラ」
できる余裕はありませんでした。
しかし、十分な時間はとれなかったとはいえ、このときの見学は、とても有意義であったと私は思っています。
《中略》
ところが一週間後、あのような報道がなされたのです。
この間、バチカンで中川前大臣の「非常識な行動」が話題になったことは全くなく(そもそも非常識な行動などなかったのですから話題にならなくて当たり前ですが)、それこそ寝耳に水の思いでした。
朝日新聞の報道の後、私は日本の新聞社、通信社、テレビ局から取材を受け、事実かどうか聞かれました。そこで、中川前大臣の行動に非常識な点はなかったと繰り返しご説明したのですが、私の発言は一行も報じられませんでした。
日本のマスコミはすでに、中川前大臣は酔っていたはずだ、非常識な行動をしたに違いない、という先入観にとらわれており、私の意見をまともに聞こうとしなかったのでしょう。
どの報道も朝日新聞と似たり寄ったりだったことは、残念でなりません。
中川前大臣には、ご同情を申し上げます。また、ご家族をはじめ身近な人たちのご心痛を思うと、やり切れない思いです。
私はたまたま通訳として、今回初めて中川前大臣とお会いしましたが、その場にいたものとして、事実と異なる報道で苦しんでおられるのを見過ごすわけにはいきません。
このため取材にも積極的に応じてきましたが、記者たちの先入観を改めることはできませんでした。
今はただ、バチカン観光における誤解が一日も早く解け、皆様に心に平穏が訪れるよう、祈るだけです。《談》
記事の内容に興味を持たれた方はぜひ正論5月号を購入し自分自身の目で確かめてください。(正論ホームページに記事の内容は掲載されません。)
正論 2009年 05月号 [雑誌]

¥680
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数回触ったりした」というのも、私には大いに疑問です。
少なくとも私は、明らかに非常識とされる場面は目撃しませんでした。
一つだけ心当たりがあるとすれば、朝日新聞の記事に出てくる次のような指摘です。
《バチカン博物館でも特に有名な、「八角形の中庭」の「ラオコーン」像を見学した際には、観光客が近づき過ぎないようにするための高さ約三十センチのさくを乗り越えて石像の台座に触るなど、非常識な行動をとったという》
このときの様子は、私も覚えています。
さくというのは誤りで、実際はロープでしたが、中川前大臣がラオコーン像に見入るあまり、ロープを越えて近づいたのは確かです。
このため、そばにいた警備員がイタリア人ガイドに一言二言注意しましたが、中川前大臣はすぐに戻ったため、特に問題にはなりませんでした。「石像の台座に座る」こともしていません。記事が指摘するような「非常識な行動をとった」とは、私を含め周囲の誰も
思わなかったことだけは、述べておきたいと思います。
バチカン博物館は規模が大きく、普通に見学すれば五~六時間かかります。
そこを一時間半ほどで見て回り、しかも世界最大級の教会堂建築として知られる
サン・ピエトロ大聖堂まで見学したのですから、相当な急ぎ足で、とても「フラフラ」
できる余裕はありませんでした。
しかし、十分な時間はとれなかったとはいえ、このときの見学は、とても有意義であったと私は思っています。
《中略》
ところが一週間後、あのような報道がなされたのです。
この間、バチカンで中川前大臣の「非常識な行動」が話題になったことは全くなく(そもそも非常識な行動などなかったのですから話題にならなくて当たり前ですが)、それこそ寝耳に水の思いでした。
朝日新聞の報道の後、私は日本の新聞社、通信社、テレビ局から取材を受け、事実かどうか聞かれました。そこで、中川前大臣の行動に非常識な点はなかったと繰り返しご説明したのですが、私の発言は一行も報じられませんでした。
日本のマスコミはすでに、中川前大臣は酔っていたはずだ、非常識な行動をしたに違いない、という先入観にとらわれており、私の意見をまともに聞こうとしなかったのでしょう。
どの報道も朝日新聞と似たり寄ったりだったことは、残念でなりません。
中川前大臣には、ご同情を申し上げます。また、ご家族をはじめ身近な人たちのご心痛を思うと、やり切れない思いです。
私はたまたま通訳として、今回初めて中川前大臣とお会いしましたが、その場にいたものとして、事実と異なる報道で苦しんでおられるのを見過ごすわけにはいきません。
このため取材にも積極的に応じてきましたが、記者たちの先入観を改めることはできませんでした。
今はただ、バチカン観光における誤解が一日も早く解け、皆様に心に平穏が訪れるよう、祈るだけです。《談》
記事の内容に興味を持たれた方はぜひ正論5月号を購入し自分自身の目で確かめてください。(正論ホームページに記事の内容は掲載されません。)
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