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2006年GW鳩山幹事長との訪韓報告書




訪問団構成
団長 民主党幹事長 鳩山 由紀夫
団員 参議院議員 尾立 源幸
  衆議院議員 寺田 学
随行 鳩山由紀夫議員政策担当秘書 芳賀大輔


日程

5月2日(火)

9:20 羽田発(JAL8831)
11:40 金浦着(在韓国大使館・武藤公使出迎え)
14:30 東亞日報取材
(於:ロッテホテル)
17:00 ウリ党議長 鄭東泳議員との面談
(於:ロッテワールド内ロッテホテル)
19:00 日本大使及び大使館員との夕食会
(於:ファイナンスセンター)

5月3日(水)

7:30 ウリ党若手国会議員との朝食懇談会
(於:ロッテホテル)
11:00 ソウル平和章財団理事長
 自由民主非常國民会議代表議長 李哲承氏との面談
(於:新羅ホテル)
13:20 ハンナラ党院内代表 李在五議員他との面談
(於:国会議事堂内ハンナラ党院内代表室)
15:00 大韓民国 韓明淑国務総理との会談(大島大使同席)
(於:中央庁舎 総理応接室)
16:30 KBSテレビとのインタビュー
(於:ロッテホテル内)
17:15 邦人特派員及び同行記者との懇談
(於:ロッテホテル内)
20:10 金浦発(JAL8834)
22:15 羽田着


目的と成果

過去最大の人的交流が行われているのとは裏腹に、靖国参拝、歴史教科書問題、そして竹島領有権問題などで緊張関係にある日韓関係において、まずは、韓明淑新首相就任のお祝いを直接申し上げ、民主党が小沢新代表の下、正しい歴史認識を示し、新しいアジア重視の外交姿勢を直接アピールすることで、民主党の存在感を示すことが当初の目的であった。

しかし、直前に竹島問題・日韓間の排他的経済水域境界未確定問題をめぐる問題に端を発し、歴史認識をも含む主権をめぐっての大変強い論調の盧武鉉大統領による特別談話が出されたこと、また、今月30日に行われる地方選挙を抱え、与野党の攻防が激しくなってきたことで、竹島領有権問題が政治利用され正常な話し合いができないのでは、という危惧が募った。結果、日韓関係を重視する韓国内の民間人や政党関係者の努力で、同時期に訪韓していた政府与党関係者が果たせなかった韓明淑国務総理との会談も実現し(総理就任後初めての外国人との面談)、ウリ党議長やハンナラ党院内代表、そして若手議員との素直に懇談もでき、現在の日本の外交姿勢では日韓関係、さらには、対アジア外交は正常化し得ない、民主党に対する与野党を含めた大きな期待感を感じて帰国した。

前述の地方選挙の結果次第では、次の大統領選挙や国政選挙に大きな影響が出ることとなろうが、今回の訪韓で野党外交の重要性を非常に強く感じたのは事実で、今後とも政党間、あるいは、議員交流を通じ、両国の立場や考えの違いを乗り越え、さらに緊密な日韓関係を構築すべきと考える。




韓国・韓明淑国務総理、鳩山由紀夫民主党幹事長との会談内容
同席者
韓国側 金成珍・国務総理室秘書室長
  チェ・ビョンファン同室広報秘書官
  李京秀・外交通商部亜太局審議官
  金チャンボン国務総理室外交安保審議官他
日本側 尾立源幸参議院議員
  寺田 学衆議院議員
  芳賀大輔・鳩山由紀夫秘書
  日本大使館・大島大使他

(1) 韓明淑総理より、次のとおり述べた。
韓日関係が大変難しい中での貴幹事長の訪韓は有意義であり、両国関係の改善の機会になることを願っている。また、貴幹事長が、自分(韓総理)の就任を祝うことも兼ねて今回訪韓されたとの韓国の新聞社(東亞日報)とのインタビュー記事も読んだ。更に、小沢代表並びに貴幹事長からは総理就任祝いの書簡ももらい、感謝申し上げる。

(2) 鳩山幹事長より、次のとおり述べた。
韓明淑総理就任のニュースを聞いた時、本当に嬉しかった。数ヶ月前、貴総理が当方の事務所を訪問され、在サハリン「韓国人」問題の解決のための国際シンポジウムへの出席要請をされたが、結局その時は衆議院の突然の解散、それに続く総選挙での民主党の敗北などがあり、実現しなかった。(同シンポジウムも開催されなかった。)ただ、その後、日本ではサハリン在留韓国人の三世が日本の大学に留学するための支援が今年度予算で確保された。今後とも、同問題解決のため努力していきたい。

(これに対し、韓総理より、自分が訪日した際、貴幹事長が、同問題解決のために心を砕き、積極的に協力する姿勢を見せて頂いたことに感謝するとともに今後の協力を要請する旨述べた。)

日韓関係が厳しい時であるからこそ、今後どのようにしていけば良いかを考えるためと、貴総理の就任を祝う気持ちで訪韓した。現在は、小泉総理のアジア外交がうまくいっていないために日韓関係が厳しい状況である。民主党の小沢代表は、小泉総理が靖国神社に参拝するのは誤りであるとはっきり言っている。A級戦犯を分祀した上で堂々と参拝すべきということである。小泉総理の過去の歴史に対する認識のため、日本全体が不利益を被っていることが残念であり、現在の韓国からの強い反発の原因となっていると考える。

日本と韓国には、お互いにそれぞれの立場や考え方の違いがあるが、今回の訪韓で韓国の考え方を学ぶことができた。長い時間をかけ、この問題を歴史的にしっかり研究して解決していかなければならない。昨日、鄭東泳ウリ党議長とお会いしたが、同議長は、このように日韓間での問題が繰り返されると、日本の韓国に対する第二の侵略であると韓国側は受け止めるとの発言もされていた。我々としては、とても考えられないことであるが、そのような憂慮を抱かせているということが日本外交の失敗であると思う。

(3) これに対し、韓総理より、次のとおり述べた。
韓日関係は、両国のみならず、東北アジアにおける平和維持及び繁栄のためにも重要である。韓国は、日本との関係でいえば大きな被害者であるが、そのような状況を克服し、現在は経済的にも世界でも10位となっている。日本とは、未来志向的かつ賢明な方法で、難しい問題を克服するため努力していきたい。

98年には、当時の金大中大統領が訪日した際、21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップ宣言が締結されるなど両国に共通の認識が見られた。昨年は、韓国の解放60周年、日韓国交正常化40周年、乙己条約(第二次日韓協約)100周年という大変意義深い年であり、日韓友情年の下、両国間では、経済的・社会的に交流が進み、中でも人的交流は420万人と史上最大に達した。また、韓国人へのビザ免除、北関大捷碑の返還、金浦・羽田間のシャトル便が4便から8便への増便など、両国民の間では友好関係が増大している。しかし、政治的には、教科書問題、靖国参拝問題、独島(ママ)問題などが発生し、関係発展を妨げている。

日韓関係が未来志向的になるためには、これら政治的な問題が解決されなければならず、先般の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の特別談話でも、独島問題は領土問題のみならず、歴史認識の問題であり、韓国にとって大事な主権問題であると言われた。韓日関係の回復のため、日本の政治指導者の正しい歴史認識及びそれに基づく実践への努力が必要であり、それによって信頼関係が構築されると考える。

韓国の要請にもかかわらず、小泉総理が靖国参拝を強行されるのは韓国として残念であり、失望感も抱かせる。貴幹事長が第三の追悼施設建設に向け指導的役割を果たされていることに感謝したい。

(4) これに対し、鳩山幹事長より、次のとおり述べた。
貴総理の貴重な発言に留意したい。竹島問題について鄭議長は、日本では1億3千万人が同島のために戦争することは考えてもいないであろうが、韓国は、北朝鮮も含め、7千万人がどんな犠牲を払っても守らなければならないとの考えである旨述べておられた。我々はこのような認識の違いを学ばなければいけないと感じた。日本人のうち、竹島の位置もわからない人もかなり多いのが実情である。

あらゆる領土問題は、歴史に対する認識の違いから生じている面がある。もっと歴史の事実を正しく理解する努力をすべきと思う。国立追悼施設については現在超党派で努力しているところである。今年の夏ぐらいまでには方向性を出し、施設建設に向け前向きな結論を出したいと考えている。ただ、同施設が必要だと考えている懸念として、韓国や中国から建設すべきと言われて建設するという形になることは、国内のナショナリズムの強い反発を招く恐れがあり憂慮している。本件は、日本自らが推進すべき問題であり、韓国も静かに見守って欲しいと考える。

(5) これに対し、韓総理より、次のとおり述べた。
趣旨は理解した。日本が国内的にうまく推進されることを願う。

在サハリン「韓国人」問題について、韓国政府は、サハリンに合同調査団を送ったが、その結果を基に今後適切な時期に両政府の間で交渉が行われると承知している。同問題は、日本の徴用により現地に残らざるを得なかったという事情を勘案して欲しい。現在は、高齢化や病気等の問題がある。早く韓国に戻れるよう人道的な観点から支援して頂きたい。

また、従軍慰安婦に対する韓国の立場ははっきりしている。この問題に関し、民主党が「戦時性的強制被害者問題解決促進法案」を推進されていることに感謝し、今後も同問題へ高い関心を持って頂きたい。

(6) これに対し、鳩山幹事長より、次のとおり述べた。
同法案とともに、自分が発議したい法案の内容は、国会図書館に恒久平和局を作り、過去の事実に関する情報を収集し、日本が歴史に対する自らの考えや責任を研究させる、というものである。今国会中にも発議する予定である。

在サハリン「韓国人」問題に関連して、自分の祖父である鳩山一郎(元総理)は、ち
ょうど今から50年前にモスクワで日ソ共同宣言を締結し、その結果シベリアから日本人を返還させることができたが、韓国人については帰せなかった。自分は、祖父がやり残した仕事の一つと考え、この問題に責任感を以て取り組んでいく所存である。

貴総理のご活躍を期待するとともに、日韓関係の発展に努力して頂きたい。民主党としても、アジア重視の外交をやっていくつもりである。

(7) これに対し、韓総理より、次のとおり述べた。
民主党としての建設的な考えに感謝したい。韓日は、関係が悪くなったからと言って引っ越しはできない。良い関係を築き、東北アジアの平和の維持と発展のために寄与すべき関係である。政治家によって緊張がもたらされる場合、外交的な努力や、他の政治家が役割を果たしたりすることが重要である。

(8) 最後に、鳩山幹事長より
拉致問題に関し、最近横田めぐみさんの母上が米国に行き協力を求めたが、韓国でも、金英男(キム・ヨンナム)氏の母上や親戚の方達と懇談をしたいとの考えをもっておられる。脱北者や拉致問題などは重大な人権問題であり、日韓間での協力を期待したい旨述べたのに対し、韓総理より、韓国でも現在DNA鑑定を行っているところであり、先ず鑑定の結果を待ちたい、人道問題として韓国としても力を尽くすつもりであり、最大限の関心を持っている、また、日朝間での対話が促進されることを願っている旨述べた。


尚、今回の訪韓について、5月3日付東亜日報(18面)は、以下のように報じている。

【見出し】
●「小泉総理は中国と韓国の信頼を失い、米国でも懸念の声が高まっている。」
○日本民主党の鳩山幹事長「アジア外交の失敗」

【内容】
「隣国である韓国と日本の首脳が握手さえできない現在の状況は決して正常とは言えない。」

日本民主党の実力者である鳩山由紀夫幹事長は2日、「小泉政見のアジア外交は如何なる言い訳をしても失敗であることは明らかである。」とし「これは、彼が真の意味での外交ビジョンを持ち合わせていないためである。」と批判した。

鳩山幹事長は、「日本の第1野党として問題を見過ごすことはできない。与党である自民党の党首ができないのなら、野党が自らの役割を果たさなければならない」と、訪韓目的を明らかにした。

韓明淑(ハン・ミョンスク)国務総理の就任祝いも兼ねて訪韓した鳩山幹事長は、「自民党の『ポスト小泉』が誰になったとしても、このような形での外交では、アジア国家との関係改善を成し遂げることはできない」とした。日本が過去に犯した過ちを心から反省し、第二次世界大戦のA級戦犯が合祀されている靖国神社参拝の中断を宣言しない限り、隣接国の信頼を取り戻すことは不可能であるとの論理である。

保守と進歩が入り混じっている民主党内において、(鳩山幹事長は)保守勢力を代表する人物であるため、彼の「小泉外交」批判は注目される。

「小泉総理は、米国とだけ仲良くすれば、日本外交がうまくいくと主張しているが、最近は、米国でも、日本が韓国や中国の信頼を失っている現場を懸念する声が高まっている。米国との同盟強化のためにも、日本は韓国との関係を重視しなければならない。

鳩山幹事長は、「今回、訪韓したことは、日本民主党執行部の面々が新しく替わったため、期待して頂きたいとのメッセージを伝達するという意味もある」と述べた。前原前代表が強硬な右翼性向の外交政策を推し進め、「自民党と同じではないか」との指摘を受けたことを意識した発言のようだ。

彼は、「昨年9月の総選挙での敗北以降、前原代表を選んだことは、政策を評価したからではなく、若さを高く買ったためである。しかし、彼の意見が党内で拒否され、小沢代表に代わった」と説明した。

鳩山幹事長は、毎年1、2回は訪韓しているが、今後はより頻繁に訪問することになりそうだ。北朝鮮に拉致された横田めぐみさんと金英男氏の問題でも両国が緊密に協力出来ればと考える」と述べた。




 


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