長崎市沖の端島(通称・軍艦島)で、戦時中の中国人強制労働などの歴史を考えるシンポジウム「検証・軍艦島の実像」(長崎の中国人強制連行裁判を支援する会主催)が6日、長崎市筑後町の教育文化会館であった。
世界遺産暫定リスト入りし脚光を浴びる軍艦島について、負の側面にも光を当てようという試み。特定非営利活動法人(NPO法人)「軍艦島を世界遺産にする会」のガイドら市民75人が参加し、強制連行された中国人労働者の遺族の話などを聞いた。
中国河北省から参加した遺族の王樹芳さん(68)は「3歳の時に父親を連れていかれ、父は異国で亡くなった。多くのことは語りたくない。思い出すだけで本当に悲しい」と話した。質疑応答では会場から「観光パンフレットにも負の歴史を載せ伝えていくべきだ」との意見も出された。
長崎の中国人強制連行裁判を支援する会と王さんたちは7日、軍艦島に上陸し死亡した労働者たちの追悼式を行う。
=2009/07/07付 西日本新聞朝刊=