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Crossroads:「のだめカンタービレ」ウィーン・ロケ

 ◇迫力と緊張感の指揮場面

 クラシック音楽の世界を描いた人気漫画が実写映画になる。東宝系で全国公開される「のだめカンタービレ 最終楽章」で、そのウィーン・ロケに同行した。世界最高峰のコンサートホール「楽友協会」では、玉木宏がオーケストラを指揮する場面を撮影。迫力と緊張感あふれるシーンになった。【鈴木隆】

 ◇最高のホールにエキストラ870人「感動的な作品にしたい」

 映画は2部作。前編では、のだめこと野田恵(上野樹里)が音楽学校で進級を目指し、千秋真一(玉木)は常任指揮者として、低迷する「マルレ・オケ」を立て直す。ウィーン・ロケは冒頭の数ショットのためだが、全体の流れを的確に映し出す重要なシーンだ。

 千秋指揮のパリの名門楽団のコンサートを聴くため、のだめが楽友協会に駆け込む場面。上野の頭にテントウムシが止まったり、エキストラとのタイミングが合わなかったりして、テストが続いた。上野は休憩時間も、武内英樹監督らとベートーベンやモーツァルトの話をして、役に入りこんでいる様子。

 日本人のスタッフは60人。チェコと地元のスタッフは計64人。外国人のスタッフは「とにかく撮影が速い。日本人は無駄なくスムーズ」と驚いたり、「まじめで堅実」と感心していた。

 ウィーン・ロケの目玉は、楽友協会内の「黄金のホール」で、千秋が「ベートーベン交響曲第7番」を指揮するシーン。大きな撮影用クレーンが縦横にオケの上部を動き回る。ドレスアップしたエキストラは計870人。「本番」「カメラ」「アクション」。日本人助監督とチェコ人スタッフの声が場内に響く。

 玉木は汗びっしょりになり、テストの合間にスタッフがうちわであおぐ。武内監督は「玉木は指揮のために血のにじむような練習をしていた。満点です」。上野も「引き込まれて感情移入した」と絶賛。玉木自身は「楽しんで演じた。貴重な体験」と言葉を弾ませた。

 ウィーン在住のエキストラの女性も「本当の指揮者みたい」と撮影を楽しんでいた。この場面はカット数が多く、撮影は夜まで続いた。

 楽友協会での映画撮影は、今回が初めて。若松央樹プロデューサーは「予定されていたコンサートが突然キャンセルになり、使えることになった。世界最高の場所で撮影でき、夢のようだ。壮大なスケールの感動的な作品にしたい。ラブストーリーの集大成として、いいものを作る」と意気込む。武内監督は「欧州ロケで、自分が最もわくわくしている」と高揚した表情で語った。

 前編の撮影は5月26日に日本でクランクイン。ウィーンの他にもチェコ、スロバキア、パリと、7月中旬までヨーロッパ各地を回る予定だ。前編は12月19日、後編は来春に公開される。<月末を除き毎週火曜日に掲載します>

毎日新聞 2009年7月7日 東京夕刊

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