よく赤線の廃止が強姦を誘発した という意見がありますが、しかし実際には同時期に他の凶悪犯罪も見てみますと、例えば少年犯罪においては、強盗は1960年に、殺人と放火は61年に戦後のピークを迎えております。(図1)
このデータは少年犯罪のデータですので、1958年に沢山強姦をしたのとほぼ同世代の当時の若者達が、他の凶悪犯罪においてもピークであったという事実を示しています。また強姦については58年に2人以上の強姦は非親告罪としたことも増えた要因としてあげられております。 また、もし赤線の廃止が強姦の増加と因果関係があるなら、58年から強姦が増えていなければならないのに、その2年前から増加しております。もちろん赤線の廃止がトリガーの一因ではある可能性は極めて高いわけでありますが、完全に売春ビジネスが消滅したわけではなく闇で営業していた店もありますし、赤線の廃止と強姦の増加が相関関係にあるとは言えないと思います。 また、児童ポルノ法で良く言われる「ポルノが防波堤」論もポルノ法成立のまえの96年から、未成年者の強姦被害者が増加しており、近年減少してことを見ていると論拠が弱くなってきます。 (図2) ポルノを擁護するのは大いに結構ですが、「犯罪の防波堤」論はあまり前面に押し出さない方が良いようです。もちろんエロゲがビールにおける発泡酒のごとく、ポルノの代替を果たし、それが普及したんだと仰るかも知れませんが、1996年には大ヒットを記録したアダルトゲーム「To Haert」が発売されていたことを鑑みると、それも論拠としては弱いように思えます。 |
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