東洋女子戦、体重オーバーで無冠戦に
- 2009/07/07(火)
7・7後楽園
▼6回戦
同級2位・水谷智佳(宮田) × 同級4位・楊瑩(ヤン・イン=中国)
▼10回戦
WBC世界Sフライ級24位・粉川拓也(宮田)× 同フライ級10位・熊朝忠(中国)
▼8回戦
吉田真(宮田) × 日本ウェルター級6位・レブ・サンティリャン(石神井S)
東洋太平洋女子ライト級王座決定戦・10回戦は、ヤンが前日計量で失格となりタイトルマッチ承認されずノンタイトル6回戦に・・・。このヤンって選手の経歴がサッパリ分からないので困るんですが、58.967kgリミットで水谷が58.8のところ、ヤンは61.7(2階級上)というやる気のなさ。
最近では6月のシュートボクシングの日本タイトルマッチでも挑戦者が減量失敗ってことがありました。これはグローブハンデと減点まで課してノンタイトル戦になったんですが、挑戦者が勝っちゃうという結果に。ボクシングの東洋王座では3年前のLフライ級・嘉陽宗嗣を思い出しました。挑戦者のタイ人が元ミニマム級王者から転級なのに150gオーバー。嘉陽は世界挑戦でも相手のオーバーに遭ってますね。
実質メインは内藤戦で株を上げた熊の再来日。宮田ジムの世界ランカー粉川と対戦します。粉川は07年B級優勝の12勝(7KO)1敗、WBC世界Sフライ級13位のリチャード・オリサを下して世界ランク入りしています。宮田会長が「日本タイトルも東洋太平洋もいらない。早く世界に行かせます」発言をしていますので、そういう路線のための試合でしょうか。前東洋王者レブのほか、ホープの日本ライト級12位・細川バレンタインも出場。(ハイセー)
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プロボクシングの安全対策強化
- 2009/07/06(月)
今年3月の死亡事故から着々と対策が講じられている。日本ボクシングコミッションはセコンドマニュアルを制作し、これまで曖昧だったセコンドの役割を明記した。職務や責任はもちろん、ルールや練習、減量の注意点、医学的なアドバイスなど80ページもあるという。今月は協会と医事講習会を開催してセコンド対象の講義も行なう。この講義は来年から義務化させる方針だというから徹底した対策の一環といえる。
これまでコミッションは既に事故防止の強化策として、インスペクターを両コーナーに配置。昭和46年会で意見交換が行なわれた際に「インターバルに選手の本性が出る」「でもドクターの座っている位置からではインターバルの選手の様子は分かりにくい」「かといってドクターを増やすのは費用的に難しいのでは」というやりとりがあった。これを解消する英断だった。インターバルに健康チェックし、ダメージが大きいと見られた場合はドクターの診断を要請。さらに第三者諮問機関の設置や20戦以上のベテランボクサーにMRI検査を義務付けるプランもある。
こうした早い動きは関係者自身のプロボクシングへの強いプライドが伺える。実際、コミッションの方と個々で話すと「しっかりしたスポーツにしなければ」という熱い思いが聞こえてくることが多い。全体像の問題解決はこの個々の強い意思から動く。関係者やファンが個々に「もっと良くするには」と話し合うのも決して無駄ではないと思うのだ。定期的なコミッションの役員会はホームページ閲覧できる議題だけ見ても非常に意識レベルが高いが、中にはたった一人の意見から広がったものもある。
過去、他ジャンルの格闘技観戦をしていてルールに不備が見られたときに指摘しても「困ったら無効試合にすればいいから」なんて呑気に返答されたことがある。そういう世界ではファンも半ば許容してしまっている雰囲気がある。少なくとも日本のプロボクシングにそんなことはありえない。癒えない死の跡を見れば、今回の安全強化がもっと早くあればとは誰が思うだろうが、プロボクシングのルールシステムは僕ら人間が作っているもの。見えない部分の努力を惜しまず、常によりよいものにしていくしかない。安全対策への積極的な前進を大いに評価しつつ、ボクシングは今もなお進化中であるととらえたい。(片岡亮)
キックボクシング(NJKF/MuayThaiOpen8/7.5)
- 2009/07/05(日)
センチャイムエタイジム主催興行/ MuayThaiOpen8. /2009.7.5
認定:ニュージャパンキックボクシング連盟
会場:新宿FACE
本日も地道ながら新宿フェースでのセンチャイ興行、交流戦もあり、応援合戦も熱戦でした。次回は10月にディファ有明でタイ現役ランカーを招聘しての興行予定です。
細野岳範選手、デンサイアムのヒジの猛攻に完敗。渡辺雅和選手、あっけなく倒されました。本場ムエタイ一流選手はカマセではありません。日本選手の雪辱を期待します。
結果4試合。
他、コメント等はまた後日入れます。
〈堀田 7.5 23:50 / 7.6 0:45 〉:No30
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第13試合 メインイベント 日本・タイ国際戦 ライト級5回戦
デンサイアム・ルークプラバーツ(タイ/元ルンピニー・B級C/60.8kg)VS 全日本ライト級1位/細野 岳範(チームドラゴン/61.1kg)
勝者:デンサイアム・ルークプラバーツ
TKO 4R終了 / ヒジ打ちによる負傷で細野陣営が棄権
レフェリー・山根 正美
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第12試合 日本・タイ国際戦 ウェルター級5回戦
K・ルークプラバーツ(タイ/元ラジャダムナン・Fe級10位/65.8kg) VS全日本ウェルター級5位/渡辺 雅和(チームドラゴン/66.5kg)
勝者:K・ル-クプラバーツ
TKO 1R 0:39 / ハイキック一発、カウント中のレフェリーストップ
レフェリー・多賀谷 敏朗
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第11試合 ウェルター級5回戦
NJKFウェルター級5位/獏センチャイジム(センチャイ/66.4kg)VS. NJKFウェルター級7位/上田 龍之介(キング/65.9kg)
勝者:上田龍之介
TKO 4R 終了 / 4R終了直前に上田の有効打により獏がダウン、終了時に獏陣営が棄権
レフェリー・松田 利彦
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第10試合 MA日本・全日本交流戦 66.0kg契約3回戦
MA日本スーパーライト級7位/大石 智斗(無名塾/65.6kg)VS 全日本ウェルター級10位/亜紀斗(はまっこムエタイ/65.8kg)
引分け / 1-0 (山根 29-29. 多賀谷 29-29. 松田 30-29)
レフェリー・椎名 利一
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他、9試合
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7・14 3大世界戦!長谷川/粟生/高山
- 2009/07/05(日)
7・14神戸ワールド記念ホール
▼WBC世界バンタム級タイトルマッチ 12回戦
王者・長谷川穂積(真正) × 同級11位・ネストール・ロチャ(米国)
▼WBA世界ミニマム級タイトルマッチ 12回戦
王者・ローマン・ゴンサレス(ニカラグア)× 同級2位・高山勝成(真正)
▼8回戦
難波拓人(明石)× WBC世界バンタム級19位・マルコム・ツニャカオ(比国)
7・14後楽園ホール
▼WBC世界フェザー級タイトルマッチ 12回戦
王者・粟生隆寛(帝拳)× 同級1位・エリオ・ロハス(ドミニカ)
※日本テレビで7時58分より放送予定
公式サイト(http://www.ntv.co.jp/wpboxing/)
前回に続く東京・神戸の同時開催、テレビで二元中継することで関東関西でそれぞれ生観戦可能なのは喜ばしい。ただ、生観戦者はもう一方を見ることができないのだから、会場で映像を流すような特典ができないかとも思う。
長谷川V9戦、初のアメリカ選手となるロチャは21勝(7KO)1敗、26歳の右ボクサー。過去3度の来日試合では、1度目がデビュー翌年の01年9月の4戦目。初6回戦だった増田稔 (平石)を4回TKOで下している。次が05年1月、相澤や大場にKO負けの比国ボクサーに判定勝ち。3度目は07年1月、日本ではおなじみのガオナー・クロンパジョンに2−1勝利。このガオナー戦では前に出てくる相手を冷静・確実にカウンターで対応していた印象がある。とはいえ、ここ3試合すべて2回以内でKOしている今の長谷川にはボクシングファンを大いに楽しませる内容、結果が期待できる。1ラウンド01秒から目を離さず、長谷川が相手の力量を見極めている動作にも注目!
高山は新井田豊を引退させた23勝(20KO)無敗の化け物王者・ローマンに挑む。新井田戦の敗北から再起5連勝だが、内訳は終盤KO2度、判定3度。この結果から見ても、格下相手を圧倒しながら決め手に欠けるところが伺えるが、相手によって自分の戦い方を崩さない長所と受け取ることもできる。それが一本調子に見えてしまうこともあるが、スピードとフットワークを保ったままフルラウンド戦い抜けるスタイルを化け物相手にどこまで発揮できるか興味深い。あの新井田が何もさせてもらえなかった超ド級の豪腕相手に秘策はあるか。スリリング度は世界3戦の中で一番かもしれない。
涙の戴冠から粟生が初防衛戦に迎える相手は最強挑戦者。ロハスは20勝(13KO)1敗、26歳の右ボクサー。アマでは世界選手権銅メダルでアマエリート粟生を軽く上回る戦績があり、プロ後もハイペースでキャリアを積んだ。過去KOは全て3回以内に倒したもので、アマらしくない強打前進が売りだ。07年にリナレスへの挑戦を賭けた試合でガマリエル・ディアスに2−1判定負けしたのが唯一の黒星。今年3月、再び挑戦者決定戦に出場しエクトール・ベラスケス(パッキャオに負け、洲鎌栄一とドロー)に大差勝利した。粟生からすれば相手が荒々しく前に出てくれた方がやりやすいのではないかという気もするが、いずれにせよ序盤なるべく早めに距離感をつかみたいところ。世界王者とはいえ進化中の粟生は、こちらが予想する以上に実力を伸ばす男。西岡のゴンザレスKO劇に負けないような、強い粟生が見たい。
東西分けた今夏最も注目すべき世界戦、いよいよゴングが鳴る。(片岡)
矢代陥落! 佐々木防衛!
- 2009/07/04(土)
7・4後楽園
▼日本Sフェザー級タイトルマッチ 10回戦
同級1位・三浦隆司(横浜光) 7回30秒TKO 王者・矢代義光(帝拳)
▼東洋太平洋ウェルター級タイトルマッチ 12回戦
王者・佐々木基樹(帝拳) 7回負傷判定3−0 同級8位・デクスター・デラーダ(比国)
※69−64、70−75、70−64、3度目の防衛
▼8回戦
日本バンタム級3位・山中慎介(帝拳) 1回2分17秒TKO 村田匡教(塚原京都)
日本フライ級3位・五十嵐俊幸(帝拳) 6回15秒TKO 東洋太平洋同級15位・ユーチ・キャリーボーイ(タイ)
日本王座戦にふさわしい熱戦だった。矢代は前回より明らかに好調で鋭いジャブでリードしたが、2回終了ゴングと同時に届いたロングフックでダウン。翌回には突進する三浦にあわせたカウンターでダウンを奪い返したが、互いに強打を振るう中で体力消耗が見られたのは王者の方で、6回にフックを浴びてフラフラ。相手の体に抱きつき粘ったが振りほどかれるように崩れてダウン。さらにコーナーに詰められ再度ダウン。7回開始したものの連打を受けたところでタオル投入、死亡事故を経験した帝拳陣営による早めの決断といった印象で、これは評価したい。三浦は攻めが単調になる懸念もあったが、前回指摘された攻めどころを逃した点を克服した貪欲な王座獲得だった。
世界挑戦を睨む佐々木は初回からプレッシャーをかけて重いボディを打ち、再三ロープ際に追い詰めて連打を決めたワンサイド。しかし中盤バッティングが増えて共に出血。相手の続行不可能で燃焼しきれない途中判定となった。それでも試合後は「正直、満足していません。倒せる相手に判定で終わったのは悔しい。でも世界チャンピオンが僕のビデオ見て強すぎるとまずいから」とジョークも交えて語った。
無敗山中は小刻みに動く相手を正確にとらえて左ストレートでダウンを奪うと、無駄ない追撃で速攻勝利。
五十嵐は5回KO予告していたとおりアグレッシブに攻め終始優勢してタイ王者を圧勝。ただ最後は腕を後頭部に巻き込まんで相手がバランスを崩しただけでサラサスレフェリーが唐突にストップして変な幕切れ。
全試合終了後に行われた木村登勇、石井一太郎の引退式では木村が「ボクシングを通じてたくさんの出会い、経験、冒険ができた。生まれ変わってもボクシングと出会いたい」と粋なコメント。両選手、お疲れ様でした。(片岡)