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GDP:韓国15位、BRICs躍進でトップ10入り遠のく(下)

◆物価上昇効果もウォン安で相殺

 名目GDPには物価上昇が反映される。物価が上昇すればするほど名目GDPが上昇する。韓国銀行の関係者は「韓国がこれまで安定的な経済成長と物価水準を維持したのに比べ、ブラジル、インド、ロシアは経済成長率が高い上に物価上昇率も高いことから、名目GDPが急上昇している」と語った。原材料が豊富なオーストラリアは06年以降、国際原材料価格が上昇したおかげで、輸出額とGDPが上昇し、今回14位の経済国に浮上した。

 一方韓国は、物価上昇効果がウォン安により相殺された。名目GDPは、ウォンで計算した後にドルに換算されるため、物価が上昇してもウォン安が進めば上昇効果が薄れることになる。対ドルウォンレートは06年に1ドル=955ウォン(現在のレートで約71円70銭、以下同じ)、07年に929ウォン(約69円80銭)だったが、昨年は1103ウォン(約82円90銭)に下落した。

◆今後の課題

 専門家らは、韓国経済の世界ランクを高めるためには投資の活性化が必要と指摘する。クォン室長は「韓国は、輸出部門では競争力があるが、消費と投資が脆弱だ。消費と投資を活性化させ、内需基盤を強化しなければならない」と述べた。LG経済研究院のオ・ムンソク常務は「世界的な金融危機以降、韓国の主要商品のシェアが伸びているため、今後経済成長のスピードが高まる可能性がある」との見方を示した。だが当分の間、ウォン安傾向が続く見通しであることから、経常収支の黒字を維持するためには、新たな成長エンジンを見出さなければ以前のような成長基調を取り戻すことはできないだろう」と述べた。

方顕哲(パン・ヒョンチョル)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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