戦時中、八峰町にあった旧大日本鉱業発盛精錬所で、強制的に働かされていた朝鮮人が眠る八森泊台の墓地で4日、民間団体「県朝鮮人強制連行真相調査団」の第3回慰霊式があった。出席者らは「アリラン」を合唱し、異国の地で犠牲となった人たちの霊を慰めた。
式には、調査団員や地元住民ら約30人が出席。韓国の国花として知られるムクゲの苗木6本を植栽後、祈りをささげた。在日朝鮮人で秋田市手形の会社員、金(キム)永守(ヨンス)さんらが追悼の言葉を述べ、出席者が献花した。
式後、出席者らは調査団の野添憲治事務局長の案内で町内の精錬所跡や、朝鮮人が暮らした飯場跡を見て回り、朝鮮人をめぐる戦時中の生活環境に理解を深めた。
調査団は旧厚生省の調査に基づき、同精錬所で働かされた朝鮮人201人(42~45年)の名簿を公開。06年末の調査では計約70カ所で墓石を確認した。【田村彦志】
毎日新聞 2009年7月5日 地方版