【萬物相】コチュジャンのグローバル化
大韓航空やアシアナ航空の国際線に乗ると、機内食として各種韓国料理が差し出される。ビビンバをはじめ、栄養サムパプ(包みごはん)、ビビングクス(韓国風混ぜめん)、辛いカルビ蒸し、豚焼き肉…。サムバプ用の味噌、サムジャンは味噌特有の臭みを消し、落花生、くるみ、牛肉を加えた栄養食品として人気を集めている。特にコチュジャン(唐辛子味噌)を混ぜて食べるビビンバは国籍を問わず、乗客の7割が好む。コチュジャンが世界の人々の舌をとりこにする可能性が高いということだ。
韓国の辛味を代表するコチュジャンが数日前、国際食品規格委員会(CODEX)のローマ総会で、国際的に通用する「食品」として公認された。これまで米国の「タバスコ」とどう違うのかを納得させることが問題だったという。結局コチュジャンは、長期間発酵させた唐辛子の抽出液であるタバスコとは違い、発酵食品ででんぷんを主原料としている点が認められた。名前も韓国名のまま「コチュジャン(Gochujang)」に決まった。これまではコリアン・ホットペッパー・ペーストやレッドペッパー・ソースと呼ばれていた。
一方、テンジャン(味噌)は残念ながら、韓国固有の食品としては認められなかった。味噌(日本)、Tauco(インドネシア)、See ieu(タイ)、 Tao si(フィリピン)、Chi ang(中国)など、アジア各国がそれぞれ公認を受けるために競争を繰り広げているからだ。結局CODEXはいずれも認めず、各国の味噌を「大豆発酵食品」という通称名で呼ぶことにした。
1962年に設立されたCODEXは、国家間で通用する食品の規格・基準を制定・管理する機関だ。食品添加物の使用対象や汚染物質表示などに関する基準を定め、国際的に安全な食品が取引されるよう取り組んでいる。コチュジャンのCODEX認定は、韓国食品としてはキムチ(Kimchi)に次ぐものだ。キムチは、韓国の「Kimchi」と日本の「Kimuchi」という表記が共に使われていたが、2001年の総会で国際表記が「Kimchi」に統一された。
これまでコチュジャンの輸入を制限していた国は、コチュジャンが国際食品規格に登録されていないことをその理由として挙げていた。だが今後は国際的に公認されたため、輸出はもちろん、韓国料理のグローバル化に弾みがついた。これからはコチュジャンの味をそれぞれの地域の特徴に合わせる試みが必要となるかもしれない。米国ではバーベキューソースの代わりに使えるようソフトな味にし、東南アジアではタイのスリラッチャのようにピリッとした辛みをさらにアップさせる必要がある。
キム・ドンソプ論説委員
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