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【経済】

三菱自新車種を投入 プラグイン・ハイブリッド 13年までに

2009年7月3日 朝刊

 三菱自動車が二〇一三年までに市場投入するプラグイン・ハイブリッド車(PHV)について、スポーツタイプ多目的車(SUV)型の新たな専用車として開発を進めていることが二日、分かった。既存車種にシステムを搭載するのではなく「ひと目でプラグインと分かる」ようにし、市場にインパクトを与える狙い。

 ハイブリッド車ではトヨタ自動車の「プリウス」やホンダの「インサイト」が専用車としてそれぞれ開発され、人気を博しているのに対抗する。三菱自がこれまで得意としてきたSUV分野で、新たな「三菱自動車らしさ」を打ち出したい考えだ。

 三菱自のプラグイン・ハイブリッド車は電気自動車のようにコンセントから充電した電気での走行に加え、発電専用のエンジンを搭載しており、ガソリンなどを使って発電した電力でも走行できる。現時点では燃費を計測する基準がないものの、開発中の専用車は従来の燃費基準に換算すれば一リットルあたり平均五十〜六十キロに相当するという。

 車台は既存のSUV「アウトランダー」か「パジェロ」を利用するとみられる。このため、現在SUVを生産する名古屋製作所(愛知県岡崎市)か子会社のパジェロ製造(岐阜県坂祝町)での生産になる見通し。

 電動車両の増産に併せ、三菱自は、GSユアサや三菱商事との合弁会社による自動車用リチウムイオン電池生産体制も拡大。今後、一万台規模の工場を近畿圏で建設した後、新たに本格的な量産に備えた大規模工場を建設する方針で、二段階で生産能力を整えることも明らかになった。

 三菱自は、電気自動車「アイ・ミーブ」を今月投入するのを皮切りに、小型車などへとラインアップを広げ、プラグイン・ハイブリッド車と合わせ、二〇年には全生産台数の約二割にまで電動車両を拡大する計画を発表している。

 <プラグイン・ハイブリッド車(PHV)> 家庭用コンセントで充電できるモーターとエンジンを搭載した自動車。これにより、電気自動車の短所とされている長距離走行が可能になる。三菱自の場合、エンジンは発電用として利用するためモーターで走行し続けるが、トヨタ自動車では短距離はモーター、長距離はエンジンを主な動力源とする。トヨタは2009年末から法人向けにリース販売を始める。

 

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