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北朝鮮ミサイル 長距離弾の兆候あればPAC3再展開も

2009年7月7日0時10分

 北朝鮮が4日発射した7発のミサイルは、いずれも北朝鮮が事前通告した海域に落下しており、防衛省は日本の安全に直接影響を及ぼすものではないと見ている。ただ、今後「テポドン2」など長距離弾道ミサイルを発射する兆候があれば、弾道ミサイル破壊措置命令を発令する方針だ。地対空誘導弾パトリオット3(PAC3)を再び展開することも検討している。

 今回のミサイル発射の狙いについて、防衛省内では、金正日総書記の後継者問題などを背景に、軍事演習を通じた国威発揚との見方や弾道ミサイルを輸出するための宣伝目的などの見方が出ている。浜田防衛相は6日の記者会見で、当面は自衛隊の部隊展開はせず、情報収集に当たる考えを示した。

 その一方で防衛省首脳は、迎撃態勢を敷いた4月の対応を念頭に「前回やったことを今回やらないのはおかしい」とも話す。北朝鮮が長距離弾道ミサイルの発射準備に着手すれば、浜田防衛相が、前回同様に弾道ミサイル破壊措置命令を出す考えだ。海上配備型迎撃ミサイル(SM3)を備えたイージス艦の日本海への配置や、PAC3の展開が想定されている。

 長距離弾道ミサイルの発射前には、ミサイル基地へのミサイル設置や燃料注入など「物理的な前兆はある」(同省幹部)とみて、米韓両国と情報共有を進めながら、北朝鮮への監視を強めている。

 ただ、4月のミサイル発射では、北朝鮮は事前に秋田県沖の日本海と太平洋に危険区域を設定したため、防衛省は首都圏と秋田、岩手両県にPAC3を展開した。北朝鮮が危険区域を設定しないまま発射準備を進めれば、PAC3をどこに展開するかについて、政府が難しい判断を迫られる可能性もある。(石松恒)

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