2009年7月 6日 (月)

「かんぽの宿」論議を逃げたテレ朝サンプロ

テレビ朝日「サンデープロジェクト」MCの田原総一朗氏は6月28日の放送で、「かんぽの宿」疑惑について、7月5日の放送で論議することを告知した。

本ブログでは、

6月28日
「サンプロがかんぽの宿疑惑適正検証を行なうか」

7月1日
「テレ朝サンプロでのかんぽの宿検証について」

7月4日
「菅義偉氏西川氏宮内氏牛尾氏が料亭で祝杯か?」

の記事を掲載した。

固定資産税評価額857億円、実勢時価1000億円程度と見込まれる「かんぽの宿」79施設が、極めて不透明な選考過程を経てオリックス不動産に109億円で売却されようとした事案に関する重大な疑惑が問題の中心である。

109億円の売却価格を正当化する根拠として、

①「かんぽの宿」事業収支の赤字

②雇用維持条件

③日本郵政の簿価が123億円であったこと

があげられているが、これらのすべてに重大な疑惑が存在する。

最大の論点は、不動産鑑定評価の方法である。不動産鑑定評価には、①原価法、②収益還元法、③取引事例比較法、の三つがあるが、②収益還元法を利用する場合、事業収支が赤字であることを算定の根拠に用いると、鑑定評価額が著しく低くなる。

しかし、「かんぽの宿」は容易に黒字化することが見込まれる物件であり、年間40~50億円の赤字を前提にした鑑定評価は、「かんぽの宿」を安く売るための大義名分に使われた疑いが存在するのだ。

サンデープロジェクトがこの問題から逃避したことは問題である。7月12日にも、適正な論議を行なうべきである。その場合、保坂展人氏、川内博史氏、松野頼久氏、原口一博氏、長谷川憲正氏、あるいは町田徹氏などの論客を出演させることが求められる。

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静岡で民主・社民・国民連合が価値ある勝利

Photo_2 7月5日に実施された静岡県知事選で民主、社民、国民新党が推薦した川勝平太氏が激戦を制して当選を果たした。今回の選挙では、民主党が候補者の一本化に失敗した。海野徹氏の立候補には、自民、公明が推薦した坂本由紀子氏への援護射撃の意味合いが含まれていたと考えられる。

海野徹氏陣営には元自民党議員の渡辺喜美氏が応援に入った。自公VS民主・社民・国民の対立に、第三極が割り込む図式が示された。

共産、および第三極候補の出馬は、民主・社民・国民の得票を減少させる効果を有するから、自公への援護射撃の意味を持つ。知事選は当選者が1名であるから小選挙区制度の下での選挙と共通する特徴を持つ。

渡辺喜美氏が応援した海野徹氏の立候補は、次期総選挙に向けて創設が予想される「偽装CHANGE新党」の存在と重なる部分が強い。野党勢力と似た政策を掲げる「第三極」の創設は、野党勢力の議席を減ずる効果を持つ点で、十分な警戒が求められるのだ。

保守勢力の強い静岡県で、民主党元参議院議員が立候補したことにより、自公が推薦した坂本由紀子氏に圧倒的な有利な状況が生み出された。このなかで、民主・社民・国民の野党連合推薦候補が勝利した意義は限りなく大きい。

各候補者の得票数は以下の通り。

川勝 平太(60)民主・社民・国民推薦 728,706

坂本由紀子(60)自民・公明推薦        713,654

海野 徹 (60)無所属             332,952

平野 定義(59)共産               65,669

 33万票が海野氏に流れた。川勝氏と海野氏を合わせた得票は100万票を突破し、坂本氏の70万票を大幅に上回った。

 保守王国の静岡県で、野党連合に極めて不利な図式で選挙が実施されたなかで、野党連合が推薦した候補者が勝利した意義は極めて大きい。川勝氏が勝利した大きな要因のひとつは、投票率が大幅に上昇したことである。投票率は前回選挙の44.49%から61.05%に上昇した。

 渡辺喜美氏が海野徹氏の応援に静岡入りした事実を見落とすことはできない。海野氏の立候補は、自公候補への援護射撃の意味が強かった。

 次期総選挙に向けて「偽装CHANGE新党」が創設される場合、その最大の目的が自民党への援護射撃になることを忘れてはならない。その第三極新党が野党連合と敵対しない存在となるためには、綿密な選挙協力が不可欠になる。野党連合が候補者を立てない選挙区にだけ候補者を立てるのでなければ、選挙協力は成立しない。

 しかし、ほとんどの選挙区ですでに候補者は確定しており、「第三極新党」と野党連合による選挙協力が成立する可能性はほとんど存在しない。

 1996年10月20日に実施された総選挙では、消費税増税が最大の争点になった。自民党と新進党が対立した。

 比例区での得票率は自民32%に対し、新進28%だった。しかし、議席数では自民239対新進156の大差がついた。その最大の理由は、この年の9月29日に民主党が結成されたことであった。民主党は比例区で14%の得票を確保し、52議席を確保したが、新進と民主の合計議席数は208議席で、自民党の239議席を大幅に下回った。

 新進および民衆の比例区得票率合計は42%で、自民の32%を圧倒したが、議席数では自民が圧倒的多数を確保したのである。

 これが、小選挙区制度下での総選挙の大きな特徴である。

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 民主・社民・国民に流れるはずの投票の多数が第三極新党に流れ、民主の得票が自民の得票を下回ると、野党連合に極めて不利な結果が生まれる。

 しかし、第三極政党が登場しても、民主の得票が自民の得票を上回れば、圧倒的多数の議席は野党連合に流れることになる。

 今回の静岡県知事選挙では、33万票もの票が第三極に流れたが、それにもかかわらず、野党連合が自公連合の得票を上回った。総選挙でこの図式が成り立つなら、野党連合が過半数を確保する可能性が極めて高くなる。

 保守地盤の強い静岡県で、第三極の揺さぶりがあったにもかかわらず、野党連合が勝利したことは、この意味で極めて重要なのである。

 「小泉一家」・「小泉チルドレン」・「官僚OBグループ」・「自民別働隊知事グループ」・「市場原理主義者」が「偽装CHANGE新党」を設立しても、新党に小泉チルドレンなどの多数が参加するとすれば、新党の候補者の多くは自民党候補者と競合し、票を喰い合うことになる。

 したがって、野党連合は「偽装CHANGE新党」を恐れる必要がなくなる。

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重要なことは、野党連合による本格政権交代を実現することである。「偽装CHANGE新党」に本格的な政治刷新を委ねることはできない。「偽装CHANGE新党」創設の狙いが「悪徳ペンタゴンによる利権政治の死守」にあることを、正確に知っておかねばならない。

 静岡県の有権者が賢明な判断を下した意味は極めて大きい。「悪徳ペンタゴン」は利権政治を死守するために、断末魔の叫びのように、さまざまな工作活動を展開し続けているが、政治刷新を求める国民は決して負けてはならない。

 鳩山由紀夫民主党代表の政治資金問題を「悪徳ペンタゴン」と御用メディアが針小棒大に報道しているが、二階俊博氏、与謝野馨氏、森喜朗氏、尾身幸次氏などの政治資金の不透明さの方がはるかに重大な問題である。鳩山代表には攻撃の風圧をはねのけて、総選挙での大勝利を誘導してもらいたい。

 7月12日には東京都議会選挙がある。日本政治の刷新を求める有権者は、野党連合に属する候補者に投票を集中させ、決戦の総選挙での本格政権交代実現に向けて、もう一歩、大きく駒を前進させなければならない。

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2009年7月 5日 (日)

国政縮図の静岡県知事選と偽装CHANGE勢力

7月5日、大型地方選第4弾となる静岡県知事選が投票日を迎えた。

自公・民社国・第三極・共の四者が闘いを演じている。

 焦点は第三極の影響だ。第三極候補は元民主党参議院議員である。私もこの候補の後援会で講演したことがある。

 民社国が候補者を一本化していれば、民社国が問題なく当選している。しかし、一本化は成功しなかった。第三極からの立候補は、民社国候補の得票を減らす効果を有する。つまり、第三極の立候補は自公候補の援護射撃の意味合いが極めて強い。

 政権交代、日本政治刷新を望む有権者は、民社国候補に投票しなければ、その目的を実現することができないことを熟慮すべきである。

 第三極候補の応援に渡辺喜美氏が駆け付けた。本ブログで警告を呼びかけ続けている「第三極」=「偽装CHANGE新党」の効果が、静岡県知事選で測られることになる。

 偽装CHANGE勢力は、①小泉竹中一家、②小泉チルドレン、③官僚OBの会、④自民別働隊の地方首長グループ、⑤市場原理主義者、に存立基盤を置く。

 その主張は、①霞が関解体、②地方分権、③市場原理主義、に特徴がある。

①霞が関解体、と②地方分権、は民主党の提案の二番煎じである。この主張を掲げるなら、民主党に合流すれば良いはずである。それを、民主党に合流せずに「第三極」とするところがみそである。

「偽装CHANGE勢力」は「天下り根絶」を実行しないと思われる。「偽装CHANGE勢力」の中核に位置すると見られる中川秀直氏は、小泉政権の中枢にいるときに、天下り根絶に前向きの姿勢をまったく示さなかった。小泉竹中政権は、財務省を基盤に置く政権で、財務省の権益拡大に熱心だったのだ。いまさら、「天下り根絶」と言っても私はまったく信用しない。

繰り返すが、「偽装CHANGE勢力」創設の狙いは、国民の投票が民主・社民・国民の野党に集中することを阻止することにある。野党による過半数獲得を阻止できれば、自民を軸にする連立政権を樹立することが可能になる。

「偽装CHANGE新党」は自民党と連立を組んで、これまでの「政官業外電=悪徳ペンタゴン政治」を継続するのだ。

2007年の政治家別政治資金収入金額ランキングは以下の通り。

1中川秀直(自)  44955万円
2亀井静香(国)  37725万円
3平沼赳夫(無)  29512万円
4古賀 誠(自)  27879万円
5山田俊男(自)  27695万円
6松木謙公(民)  27695万円
7森 善朗(自)  27021万円
8麻生太郎(自)  23383万円
9鳩山邦夫(自)  23182万円
10
鳩山由紀夫(民) 22194万円

鳩山由紀夫氏の政治資金が問題にされているが、政治資金を最も多く集めているのは自民党の中川秀直氏である。

「偽装CHANGE新党」の基本政策は、「市場原理主義」である。セーフティネットを破壊し、弱肉強食を奨励し、弱者を切り捨て、格差社会を形成してきたのが「市場原理主義」である。

民主党内に市場原理主義者が存在することが、民主党の最大の問題であり、政権交代実現後にこれらの反党分子を除去することが求められる。

静岡県の有権者がこの基本構造を見抜くことができるかどうかが問題になる。日本の政治を刷新するには、「偽装CHANGE新党」ではなく、民・社・国の野党勢力が衆議院の過半数を確保し、本格的な政権交代を実現しなければならない。

テレビ朝日は、「偽装CHANGE新党」を全面支援しているように見える。フジサンケイグループ、日経グループも積極支援している。目的は、「悪徳ペンタゴンによる利権政治の死守」である。

TBSは連続ドラマ「官僚たちの夏」の放映を始める。官僚を美化するドラマだが、官僚OBによる「偽装CHANGE新党」を援護するものであると考えられる。

また、テレビ朝日は、石原裕次郎氏の23回忌法要を放送し、石原プロダクション作品を積極的に放送している。石原慎太郎都政を問う7月12日の東京都議選への支援活動であると解釈することができる。

マスメディアは、自民党の二階俊博氏、与謝野馨氏などの政治資金疑惑をまったく追及せず、鳩山由紀夫氏の政治資金問題だけを追及している。

また、何の意味もない地方知事の何の意味もない行動に公共の電波が占領され続けている。

日本は前近代国家だから、野党が総選挙で勝利するハードルはイランよりも高いと考えられるが、心ある国民が力を結集して、このハードルを越えなければならない。それにしても、総選挙を目前にしたこの時期のマスメディア偏向報道は目を覆うばかりである。私の言論活動を遮断することも卑劣である。

しかし、真実は必ず勝利しなければならない。

大型地方選第4弾の静岡県知事選は本日深夜には結果が明らかになる。静岡県の有権者が賢明な判断を示すことが望まれる。

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2009年7月 4日 (土)

コンビニの食品廃棄率をゼロにするための方策

 弁当などを販売期限前に値下げして売る「見切り販売」を不当に制限していたとして、コンビニエンスストアチェーン最大手、セブン-イレブン・ジャパンが6月22日、公正取引委員会から独占禁止法に基づく排除措置命令を受けた。

 これを受けてセブン-イレブンは6月23日、食品廃棄で加盟店に生じる損失(仕入れ原価)の15%を負担することを決めた。しかし、見切り販売に対しては、「過当競争をもたらし、結果として加盟店の利益を奪う」として反対の姿勢を変えていない。

これに対して一部加盟店オーナーは「場当たり的な施策でコメントをするに値しない」として、見切り販売の継続を貫くとした。

公正取引委員会は価格の決定権は加盟店側にあると指摘し、セブン‐イレブン・ジャパンが加盟店に対して、優越的な立場を利用して見切り販売をしないよう圧力をかけることは許さないとの見解を示した。

テレビメディアはセブン‐イレブン・ジャパンを傘下に持つセブン&アイ社が大手スポンサーであることから、奥歯にもののはさまったような論評しか示していない。

セブン‐イレブン・ジャパンは販売データをコンピュータ管理し、欠品率、廃棄率が最小になるように商品供給量を調節しており、定価販売を基礎に据え、廃棄率の縮小は商品供給量の調節によって達成しようとしていると考えられる。

技術的な分析については、日経Biz Plusのコラムに詳しいので、こちらを参照いただきたい。

ここでは、消費者の立場から、この問題についての一考察を示しておきたい。

問題になっている対象は弁当やパン、チルド棚に並ぶデザートや飲料などの「日配食品」、いわゆる「デイリー品」である。

弁当やサンドウィッチなどの食品は「生鮮食料品」である。商品価値は時間の経過とともに低下する。入荷したての商品と廃棄目前の商品は同価格で販売されているが、商品価値には明確な差がある。

消費者が合理的に行動すると、陳列されている商品のなかから「より新しい商品」を選別して購入することになる。消費者のこの合理的な行動を禁止することはできない。

消費者がきめ細かい対応を取ると、陳列棚では後から入荷した商品が先に販売され、先に入荷した商品が売れ残る現象が生じやすい。

したがって、コンビニエンスストアの供給本部は、各店舗での販売数値を睨(にら)み、欠品になる寸前のタイミングで商品供給を行なう工夫を行なっている。それでも、欠品を回避するためには、必要商品をやや過大に供給することが求められることになり、その結果として、必ず廃棄食品が生まれてしまうのだ。

これらのコンビニエンスストアでは、商品販売をすべてコンピュータで管理している。したがって、生鮮食品について、特別な価格決定方式を採用することが可能になる。

商品が店舗に到着してから販売終了期限までの時間を100としよう。店舗の商品棚に陳列されてから50の時間が経過した時点から商品の価格引き下げをデータにインプットすることを検討すべきだと考えられる。

店舗に陳列されてから、時間が50までの期間は定価販売、それ以後、時間に比例して価格が低下し、販売終了時間には価格が、例えば70まで低下することをあらかじめ決めて、消費者にも情報を公開する。

消費者は陳列棚の商品のなかで、販売終了期限に近付いた商品を選択すれば自動的に割引を受けることができる。割引は必要ないから新しい商品を定価で購入したい消費者は入荷したての商品を選択すればよい。

値引き開始のタイミングと、最終販売価格水準を操作することにより、廃棄率をゼロに近づけることが可能になるはずである。

正確な価格を値札に表示できないとの問題があるが、価格割引ルールを明確に告知しておけば問題はないと考えられる。

この問題を考えるにあたり、見落とせない最重要のポイントは、生鮮食料品の場合、入荷したての商品と販売終了期限間近の商品とでは、消費者にとっての商品価値が異なることである。

これまでの方式では、消費者は価値の下がった販売終了期限間近の商品を入荷したての商品と同じ価格で買わされていることになるのだ。

商品に貼り付けられるバーコードにデータを入力すれば、時間経過に伴う商品割引を瞬時に表示することが可能になる。割引はレジ瞬時に受けることができる。

生鮮食料品の廃棄率を低下させることは、さまざまな側面から望ましいことで、この要請を合理的に解決するには、生鮮食料品の販売価格を時間の経過にしたがって低下させるシステムを導入することが、最も合理的な解決方法になると考えられる。

コンビニ各社における検討を強く求めたい。

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菅義偉氏西川氏宮内氏牛尾氏が料亭で祝杯か?

7月5日のテレビ朝日番組「サンデープロジェクト」で「かんぽの宿」問題を論じられることになっているが、このなかで、見過ごせない重大な情報が流れてきた。

社会民主党の保坂展人衆議院議員は、「かんぽの宿」疑惑を厳しく追及し、オリックス不動産を売却先として決定する過程が不透明極まりないことを国会審議で明らかにしてきた実績を持つ。

この保坂議員が自身のブログ「保坂展人のどこどこ日記」7月3日付記事に以下の記述をされた。

「昨日の『日刊ゲンダイ』に注目に値する記事が載った。29日株主総会、日本郵政の西川社長の続投が決定した翌日の30日、私たちは衆議院総務委員会で集中質疑を行った。社長続投にあたって西川氏は、「反省すべきところは改めて、再スタートする」という表向きの姿勢を見せていたが、なんとその晩に高級料亭で、「疑惑の会合」が開かれたというのだ。」

保坂議員は日刊ゲンダイに掲載された記事を紹介された。以下に保坂議員の掲載記事から同記事を転載させていただく。

日本郵政の株主総会の翌日に続投祝い?

自民・菅選対副委員長も同席

これは露骨だ。先月30日の晩、都内の一流ホテルで日本郵政の西川善文社長がオリックスの宮内義彦会長らと会食した。この席には自民党の菅義偉選対副委員長、ウシオ電機会長の牛尾治朗氏も同席したというのである。

オリックスの宮内会長と言えば、小泉構造改革の旗振り役。固定資産評価856億円の「かんぽの宿」がたった109億円でオリックスに売却されそうになった背景には、西川宮内ラインの疑惑の関係がささやかれたものだ。

菅はというと、麻生首相に西川続投、鳩山前総務相切りを進言した張本人。牛尾治朗氏もこれまた小泉構造改革の中心的人物で、いち早く、西川続投の流れを決めた日本郵政指名委員会の委員長だ。

こんな連中が日本郵政の株主総会が開かれた(29日)翌日に、慰労会のごとく集まっていたのである。

西川続投のお祝いに見えるし、4人がそういう関係だったとすれば、「かんぽの宿」売却も、その後の西川続投もデキレースだったことになる。国民を愚弄した話だ。

この問題を追及している社民党の保坂展人衆院議員はこう言った。

「ホテルでの会食に4人が一堂に会したのが事実だとすれば、目的を疑います。菅さんは西川続投を進言し、その結果、麻生内閣は支持率下落でボロボロになっている。この時期に会いますかね。国民の怒りをまったくわかっていないと思います。野党やメディアは小泉構造改革利権について、徹底追及を始めている。今後の対応を話し合っていたのではないでしょうか」

それほど、怪しげなメンバーなのだ。

政権交代が現実になれば、西川社長のクビは飛ぶ。乾杯していたのだとしても、ハシャイでいられるのは今のうちだけだ。」

(日刊ゲンダイ 2009/07/02 掲載)

菅義偉(すがよしひで)元総務相、西川善文日本郵政社長、牛尾治朗ウシオ電機会長、宮内義彦オリックス会長の4名が、もし本当に会食をしていたのなら、これは重大なニュースである。会合の費用は誰が支払ったのか。

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西川善文氏の社長続投を含め、日本郵政の9名の取締役全員の再任案を提案したのは日本郵政の取締役からなる指名委員会である。

日本郵政の取締役および指名委員会の顔ぶれは以下の通りだ。

①取締役

代表取締役 西川 善文(にしかわ よしふみ)

代表取締役 高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

社外取締役 牛尾 治朗(うしお じろう)
ウシオ電機株式会社代表取締役会長

社外取締役 奥田 碩(おくだ ひろし)
トヨタ自動車株式会社取締役相談役

社外取締役 西岡 喬(にしおか たかし)
三菱重工業株式会社相談役

社外取締役 丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)
伊藤忠商事株式会社取締役会長

社外取締役 奥谷 禮子(おくたに れいこ)
株式会社ザ・アール代表取締役社長

社外取締役 高橋 瞳(たかはし ひとみ)
青南監査法人代表社員

社外取締役 下河邉 和彦(しもこうべ かずひこ)
弁護士

②指名委員会

委員長 牛尾 治朗(うしお じろう)

委員  西川 善文(にしかわ よしふみ)

委員  高木 祥吉(たかぎ しょうきち)

委員  奥田 碩(おくだ ひろし)

委員  丹羽 宇一郎(にわ ういちろう)

西川社長を更迭するのかどうかが大きな政治問題になった。

鳩山邦夫前総務相が西川社長を更迭すべきだとした背景は以下のものだ。

①日本郵政は株式会社形態に移行したが、株式の100%を政府が保有する「完全国有会社」である。

②日本郵政株式会社法は総務大臣に日本郵政に対する監督権限、取締役等選任についての認可権など、強い権限を付与している。

③「かんぽの宿」売却先決定過程が極めて不透明で、時価1000億円程度の国民財産を109億円の安値で、意図的にオリックスに横流ししたとの疑惑を払拭できない。

④西川社長は日本郵政の経営において、カード事業を三井住友カードに委託し、資金運用や保険商品販売において三井住友グループを優遇してきた疑いがある。

⑤「かんぽの宿」売却先決定事業は、西川社長が直轄するプロジェクトチームが担当した。

これらの事情を背景に、鳩山総務相は西川社長を更迭する方針を決めた。麻生首相も5月21日の衆議院予算委員会質疑で、「この問題については所管大臣である総務大臣がしかるべく判断される」と明言し、鳩山総務相の判断に委ねる方針を示していた。

ところが、その後、「小泉純一郎氏-竹中平蔵氏-中川秀直氏-菅義偉(すがよしひで)氏-石原伸晃氏からなる郵政××化ペンタゴン」が横やりを入れて、 target="_blank"西川社長更迭方針をひっくり返した

その中心人物が菅義偉(すがよしひで)氏である。菅氏は竹中平蔵氏が郵政民営化を担当する総務相に就任した2005年10月に総務副大臣に就任し、竹中氏が議員辞職した2006年9月以降、総務相に就任した人物で、日本郵政の西川体制と表裏一体をなす人物である。

日本郵政の疑惑は「かんぽの宿」だけにとどまらない。旧日本郵政公社時代の資産売却にも重大な疑惑が存在する。旧日本郵政公社時代の所管大臣が竹中氏-菅(すが)氏のラインであり、竹中氏-菅(すが)氏ラインは、西川社長を更迭されるとよほど困る事情があるのだと指摘されている。

宮内義彦氏は総合規制改革会議議長として郵政民営化論議にも関わった人物である。2003年10月7日の2003年度総合規制改革会議第5回会合で、郵政民営化論議が経済財政諮問会議に一本化されることが決定されたが、その際に、「経済財政諮問会議と今後も連絡を取り合う方針」を示した。

宮内義彦氏は著書『経営論』のなかで、「かんぽの宿」の施設が充実しており、競争力が高いことを指摘しており、温泉旅館の再生ビジネスに注力していたオリックスにとって、「かんぽの宿」は極めて重要なターゲットであったと推察される。

日本郵政の取締役会および指名委員会は、100%出資者である日本政府の意向を人事案に反映させる責務を負うが、取締役会も指名委員会も日本政府ではなく、上記した「郵政××化ペンタゴン」の意向を反映する決定を行なった。

「郵政××化ペンタゴン」が日本郵政を「私物化」していると言わざるを得ない。

「日刊ゲンダイ」が示した会合は、「日本郵政私物化のキーパーソン」による「密会」と言わざるを得ない。ここに竹中氏か小泉氏が加われば、まさに「郵政××化ペンタゴン」となる。

「かんぽの宿」の裏の鍵を握っているのは「村上ファンド」であるとの指摘もある。

「李下(りか)に冠を正さず」が大切だと言われるなかで、これまで国会にもまったく登場していない宮内義彦氏が西川善文氏、菅義偉(すがよしひで)氏、日本郵政指名委員会委員長の牛尾治朗氏と密会していたとなれば、極めて重大である。

事実関係を確認していないから、事実を確認することが必要だが、かりに会合が事実だとすると、この事実をクローズアップして問題として取り上げることが不可欠である。

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