「ラーメンの小池さん」を知っている世代は、結構幅広いようだ。いつもラーメンを食べている天然パーマの男性である。
藤子不二雄(A)、藤子・F・不二雄氏の漫画のキャラクターとして、「オバケのQ太郎」をはじめとした作品にしばしば登場する。小池さんのモデルとなったのが、杉並アニメーションミュージアム(東京都杉並区)の鈴木伸一館長だ。
鈴木さんは、2人の藤子不二雄氏らと同じ、東京都豊島区にあったトキワ荘で暮らしていた。手塚治虫、石ノ森章太郎、赤塚不二夫氏らも住み、漫画の「聖地」とされたアパートだ。
現地を訪れた。建物は跡形もないが、そばには漫画家たちが出前をとっていた中華料理店が残っていた。めん好きの鈴木さんらがしばしば食べたラーメンは健在で、味もいい。
近くの公園に今春、記念碑「トキワ荘のヒーローたち」が設置され、暮らした漫画家たちの自筆の似顔絵やサインが刻まれた。岡山市出身で10年前に他界した漫画家・森安なおやさんも含まれている。
4畳半の部屋で鈴木さんと同居していた。森安さんは故郷をこよなく愛し、岡山城築城400年にちなんだ「烏城物語」を書いた。岡山の自慢話を鈴木さんにもしていたという。森安さんを通し、トキワ荘があった街に親しみがわいてくる。