2009年7月7日0時55分
都議選候補者の応援演説をする石原都知事=6日午後、東京都墨田区押上1丁目、福留庸友撮影
石原慎太郎知事が東京都議選で、自民、公明両党の応援に奔走している。各地の地方選で民主党に風が吹き、都政与党の自民、公明両党が議席を減らせば、石原知事の都政運営に支障が出かねないからだ。「非常に不安というか、どうなるか予測がつかない」。知事の危機感は強い。
「過半数を自民党と公明党が失ったら、議会の運営がどうなるかわからない」。6日夕、石原知事は東京都墨田区の街頭で、自民新顔への支援を必死になって求めた。
麻生内閣の支持率低下で自民、公明に逆風が吹くなか、定数127の都議選では、計70議席を持つ両党が過半数を維持できるかが大きな焦点となっている。この状況が知事の心配の種で、6日の応援演説でも「国の選挙を先にやったら良かった」とぼやいていた。
知事は、5月にあった自民党都連の総決起大会や複数の都議の集会に参加。告示の3日を挟み2〜4日は2016年東京五輪の招致でシンガポールに出張したが、帰国翌日の5日に応援を再開して5カ所で演説し、6日は3カ所、7日も7カ所を回る。予定では11日まで毎日応援を続け、支援する自民候補も05年の20人を超える見通しだ。
知事は公明のベテラン都議に頼まれ、6日夜には、墨田区内で開かれた公明新顔の演説会にも駆け付けた。
「東京から国を変える」と言って登場した石原知事も就任10年、秋には喜寿を迎える。ある自民現職は「知事の支持率は今も高い。総理の応援より効果的だ」、別の現職も「知事が来れば都議選が政権選択ではなくて、都政の選挙だとPRできる」と話す。
ただ、石原知事の選挙公約でスタートした新銀行東京は巨額の都税を失う結果となった。「税金の無駄遣い」と反発する都民も多く、公明現職の中には、知事の応援は本当にプラスになるのかといぶかる向きもある。