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NHK相手に8400人が集団提訴 「JAPANデビュー」歪曲報道で
NHKスペシャル「シリーズ・JAPANデビュー アジアの“一等国”」に出演した台湾人や日台友好団体などから番組内容に偏向・歪曲(わいきょく)があったと批判が相次いでいる問題で、視聴者約8400人が25日、放送法などに反した番組を見たことで精神的苦痛を受けたとして、NHKに計約8400万円の損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。
問題の番組は日本の台湾統治時代を取り上げたもので、4月5日に放送された。放送直後から「日本の台湾統治を批判するため、証言をねじ曲げている」などの批判が相次いだ。
原告は訴状で番組について、「取材に応じた台湾人の話を、一方的に都合良く編集して使っている」などと指摘。具体的には(1)台湾統治下の暴動を「日台戦争」と表現(2)「日英博覧会」でパイワン族の生活状況を実演紹介した企画を「人間動物園」と表現などを挙げ、番組にはやらせや事実の歪曲・捏造(ねつぞう)があり、放送法に違反する番組だった−などと主張している。
原告には、約150人の台湾人も含まれている。原告側は今後、出演した台湾人や友好団体の関係者の証人申請や、出演者らがNHKに出した抗議文などの提出も検討している。また、東京、大阪、名古屋では、放送に反発する地方議員や有識者ら有志が抗議デモを行った。
NHK広報局は「訴状を受け取っていないのでコメントできない。番組の内容には問題がなかったと考えている」としている。
「シリーズ・JAPANデビュー」
NHKによると、近代国家を目指し世界にデビューした日本がなぜ国際社会で孤立し敗戦を迎えたのかを考え、未来へのヒントを探るのが企画の狙い。テーマは「アジア」「天皇と憲法」「貿易」「軍事」の4つで、うち「アジアの“一等国”」は、その第1回。近代日本とアジアの原点を台湾統治に探る内容としている。