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【米露会談】リセットで失地回復狙う露 新たな駆け引きのスタート (1/2ページ)
このニュースのトピックス:米国
【モスクワ=佐藤貴生】6日の会談で米露首脳は、関係修復の方向性が揺るぎないことを演出する見通しだ。半面、東欧での米国のミサイル防衛(MD)計画や紛争後のグルジア情勢など、対立点も少なくない。ロシアはアフガニスタンの反テロ戦など、米側が支援を求めている問題で協調姿勢を示しながら、安全保障面で米側から最大限の譲歩を引き出す戦略とみられる。米露関係の「リセット」はまた、新たな駆け引きの始まりを意味するといえそうだ。
オバマ政権の重要課題の1つであるアフガンの反テロ戦をめぐっては、ロシアが米軍向け軍事物資の自国領通過を認める公算が高まっている。主要な補給経路だったパキスタンが不安定化するなか、新たなルートを確保したい米国にとっては大きな成果となる。
一方で、アフガンの米軍支援はロシアにとってもメリットがある。「アフガン国内のイスラム過激派が勢力を拡大すれば、ロシアが自らの庭先と認識する中央アジア諸国が混乱しかねない」(外交筋)ためだ。
アフガンを舞台とする米露協力はまた、ロシアが外交戦略として掲げる「世界の多極化」のアピールにも役立つ。ロシアは北朝鮮やイランの核問題でも中国と並んで対話による問題解決を主張、米国に揺さぶりをかける狙いがちらつく。
金融危機やイラク戦争の処理に追われる米国の事情を考慮すれば、ロシアが国益を揺るがす課題で妥協するとは考えにくい。たとえば、米MD計画で東欧へのミサイルやレーダー基地設置をいったん認めれば、常に増強される危険性を抱え込むことになり、到底受け入れられないのが実情だ。
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