チベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世の妹で、インドのチベット難民の子どもを対象にした教育機関「チベット子供村」の活動に尽力してきたジェツン・ペマさん(68)が2日、東京都内で毎日新聞のインタビューに応じた。ジェツン・ペマさんは、中国チベット自治区ラサでの大規模暴動のあった08年以降、中国政府の統制強化でインドへ亡命する子どもの数が激減していると指摘した。
チベット人としての教育を受けさせる目的で、親が子どもを同自治区からインドへ亡命させる動きが以前からあり、「子供村」で受け入れている。ジェツン・ペマさんによると、国境を越えてきた子ども約750~1000人を例年受け入れてきたが、08年は約250人、今年は先月までに59人と激減した。
ジェツン・ペマさんは「監視が強まり、町も村も兵士らに包囲されたような状況で、人々は恐怖の下で暮らしている」と訴えた。一方、ダライ・ラマが自身の後継者問題で、民主的な方法での選出が望ましいとの考えを示したことについては、「ダライ・ラマは常に民主主義を強調してきた。生まれ変わりは伝統だが、民衆の望む決定を下すだろう」と話した。【服部正法】
毎日新聞 2009年7月3日 20時53分(最終更新 7月4日 2時10分)