北京(CNN) 中国新疆ウイグル自治区の区都ウルムチ市内の市場がある地区で5日午後、大勢のウイグル人住民の騒乱があり、警察が市内を厳重封鎖した。国営の新華社通信が6日伝えた。正確な死傷者数は今のところ不明だが、多数の死者が出ているとの情報もある。
新華社によると、住民らは通行人を襲撃し、公共バスに放火し、道路交通を妨害したとされる。騒乱を起こした住民の規模や動機には言及していない。
目撃者によると、現場に駆けつけた警官隊が道路にバリケードを築いて住民らを抑え込もうとしたものの、住民らが警官隊を圧倒し、「通り過ぎる車やバスに投石していた」という。騒乱がエスカレートすると何百人もの武装警官が出動し、催涙ガスや消防車の放水で住民らを散会させた。この時トラックや救急車、戦車のような装甲車が目撃され、散発的な銃声が聞こえた。
ウルムチ市内はその後封鎖され、人民解放軍の兵士らが路上に展開。武装警官は騒乱に加わっていた人々を追跡し、「多数」拘束したという。騒乱は、中国南部・広東省韶関市の玩具工場でウイグル人従業員と漢民族従業員が衝突し、ウイグル人2人が死亡した事件が引き金だった可能性がある。
ドイツ南部ミュンヘンを拠点とする世界ウイグル人会議の関係者は同自治区からの情報として、軍用車に複数の遺体が載せられている現場が目撃されたと述べた。関係者によると、ウルムチの住民らは韶関市当局による差別的措置への抗議行動を平和的に行っていたが、約40分経過したところで人民解放軍が取り締まりに乗り出し、戦車を含む50台余りの軍用車が市内に入ってきた。ウイグル人らには外出禁止令が出た。
消息筋によると、同地区カシュガル市内にも人民解放軍の大規模部隊が入り、学生らが外出を禁止された。ウルムチに続く道路沿いでは、住民が拘束されていたという。
世界ウイグル人会議は、中国の法律で平和的な抗議行動の権利が認められていると指摘し、中国当局によるウイグル人へのこうした対応は「民族差別」だとして注意を呼び掛けている。