1987年に亡くなった俳優・石原裕次郎さん(享年52)の二十三回忌法要「天国からのラストメッセージ『ありがとう』石原裕次郎二十三回忌」が5日、東京・国立競技場で営まれ、約12万人のファンが集結した。会場に裕次郎さんの菩提(ぼだい)寺の横浜・総持寺を模した「裕次郎寺」を建立。石原プロモーション社長で俳優の渡哲也(67)はファンとともに「裕ちゃーん、裕ちゃーん、裕ちゃーん」と“裕ちゃん三唱”し、天国の裕次郎さんに変わらぬ思いを伝えた。
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亡くなって22年が過ぎてもスターの集客力は色あせていなかった。閉門の午後10時までに国立に集まったファンは11万6862人。日中は最寄りの都営地下鉄国立競技場駅、JR千駄ヶ谷駅などから人の列が途絶えることはなかった。3日の午後2時から並んでいた札幌市在住の船橋さん(74)を筆頭に徹夜組は約600人。開門は予定の午前7時から20分早められた。記念セレモニーが行われた午前10時ごろには3万5000人がスタンドを埋めた。
そんなファンの熱い思いを代弁するかのように渡はセレモニーで「裕ちゃーん、裕ちゃーん、裕ちゃーん」と天に向かって“裕ちゃん三唱”した。一緒にステージに立ち、あいさつした石原まき子夫人(75)、舘ひろし(59)、神田正輝(58)、徳重聡(30)もジーン。会場には天海祐希や松原智恵子ら著名人の姿も。
セレモニー後も人は増え続け、混雑のピーク、午後2時15分ごろには、会場に隣接する明治公園にも入場を待つファンが待機、青山門からイチョウ並木までの列は実に1キロにも及んだ。気分が悪くなり救急車で運ばれた人もいたが、大きな事故はなく、法要を取り仕切った石原プロの小林正彦専務(73)もひと安心。
過去の法要では必ず雨が降っていたが、今年は降らなかった。小林専務は「裕次郎さんが『もうええやろ』って言ってくれてるのかな」とポツリ。ド派手に打ち上げた“最後の花火”がどこかものさびしそうでもあった。