福知山に映画館が復活する。休館していた広小路通りの劇場が、新たに「福知山シネマ」に生まれ変わって8月4日から営業を開始する。2スクリーンがあり、一方は東宝から配給を受けて話題の作品を上映し、もう一方は単館系(アート系)の作品を上映していく。
市内にはかつて多くの劇場があったが次々と閉館し、ここ30年近くは広小路通りの福知山東宝・スカラ座劇場(旧第一劇場)だけになっていた。それも厳しくなって昨年2月で休館。福知山は「映画館の無いまち」になり、映画ファンたちを寂しがらせていた。
こうした中で劇場を再開することにしたのは、舞鶴市上福井の映画製作会社シマフィルム(志摩敏樹代表)。27日には関係者らを招いてプレオープンの試写会を開き、自社製作作品で秋野暢子さん、桂雀々さんらが出演する「かぞくのひけつ」を上映した。
試写会後、志摩代表は「地方の劇場が消えていくのを各地で目にし、自分でチャレンジしてみようと思った。映画を作ってきた人間で、劇場運営は素人。みなさんのご協力をいただき、続けていきたい」とあいさつした。
映画へかける思いは熱く、「子どもや若者たちが、大宣伝の作品だけを映画と思って育っていいのか。多様な作品があることを知ってもらう機会を提供したい。今後、福知山を舞台にした作品も撮りたいし、手伝ってもらえる人を育てたい」と意欲を見せる。
久々にスクリーンで映画を見た地元の試写会参加者らは再開を喜び、広小路商店街の吉田博理事長は「待ちに待っていました。映画館が無くなったというのは、単に娯楽施設が無くなったというのではなく、文化の灯が消えたのと同じ。頑張って続けて欲しい」とエールを送っていた。
館内2劇場のうち、東宝配給系の劇場は開館の4日から17日までは、時間を分けて「ドラえもん」「名探偵コナン」、18日から31日までは「クレヨンしんちゃん」「バッテリー」を上映。その後「ポケットモンスター」「眉山」「舞妓Haaaan!!!」「西遊記」など11月までに計17作品を上映する。
もう一方の劇場では4日から「選挙」「かぞくのひけつ」「ヒロシマナガサキ」などを上映する。時間などの問い合わせは福知山シネマ、電話0773(23)1249へ。
写真:「みなさんのご協力で続けていきたい」とあいさつする志摩代表
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