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【コラム】「世界風力発電競争」の落後者(下)

 中国企業による中国風力の市場占有率は04年に25%だったが、07年には56%へと伸びた。ある専門家は「政府が風力発電システムなどで厳しい国産化率目標を設定し、中国企業の技術向上や規模拡大を積極的に支援しているのが大きい」と話す。この勢いなら、中国企業が世界の風力市場を掌握する「巨人」になるのは時間の問題だ。

 各国が競い合うように「風力発電レース」を繰り広げているのは、風力産業が完全に無公害で、発電単価もソーラー発電の20%に過ぎない一方で、付加価値や雇用創出効果はそれを上回るという「魅力」があるからだ。風力産業は来年度、世界における市場規模が596億ドル(約5兆7200億円)に達し、運がよければ「金の卵」を生む輸出品目になる可能性を秘めている。

 しかし、今年5月末に韓国政府が確定・発表した「新成長動力」リストから風力発電は除外された。風力発電産業の許認可を受けるには、11の部処(省庁)で12段階の手続きを経なければならず、規制の壁も高い。

 ある企業関係者は「韓国には世界トップレベルの重工業関連企業があり、風力産業が成功する可能性は他国よりも高いのに、チャンスが生かされていない」と落胆の色を見せた。独自技術を開発した企業を対象にした追加税額の控除、国産部品活用に対するメリットの提供、風力産業許認可の大幅な簡素化といった改善案さえ、遅々として進まない。

 世界の国々では、官民一体となって風力発電市場の先制を狙っている一方で、韓国は掛け声ばかりが大きい「落後者」になるのではないか、と心配になってくる。

産業部=宋義達(ソン・ウィダル)次長待遇

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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