ACT13☆キャプテンのお仕事(ナビスコカップ決勝:vsジェフ)

ACT12☆Lefty in the Right(第5節:vsフリエ)

ACT11☆なっちゃん!スマイル(練習見学記)

ACT10☆主役は誰?(第2節:vsヴェルディ)

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ACT13キャプテンのお仕事 (ナビスコカップ決勝:vsジェフ)

7月19日―相馬さんの27回目の誕生日―の国立にたどり着いたのは、ジュビロとジェフでした。
両チーム選手入場。先頭に立つのは江尻さんと俊哉さん。共に清商で主将を務めた経歴の持ち主です。

「中山さんはジュビロを超越して日本の顔だし、やっぱりナナ、そして俺だね」
グランパスのサポート雑誌『GRUN』で、学生時代の後輩である望月重良さん&興津大三さんと対談した時、
(清商は俊哉さんがキャプテンになった頃から上下関係がほとんどなくなったと言われていますが、
対談ではインタビュアーが質問を振ると、基本的に年齢が高い方から答えています。
最初に会場となった浜松のホテルに来たのも大三さんで、俊哉さんは最後だったそうです)
ジュビロで通算出場試合数最多という俊哉さんは、こんな言葉を口にしています。
「5年前、昇格1年目のメンバーで、スタメンで残っているのが俺と中山さんと古賀さんの三人」

本人がどう受け止めているかは別として、はたから見れば王道を歩き続け、
常に“背にはエースナンバー、腕にはキャプテンマーク”という実績を残してきた俊哉さん。
けれど、春先のPSM(LGチタス戦)で、そんな姿をテレビで一瞬とはいえ目にした時の衝撃は、
周囲はもちろん、自分でも大袈裟だな、と思えるぐらい凄まじいものがありました。
細い左腕で、春の陽光を浴びてキラキラ輝くキャプテンマーク。
それは俊哉さんがジュビロの中ではベテランといえる位置にいる、紛れもない証拠品なのでした。

私がサッカーと本格的に向き合うことになった
3年前―この年のジュビロの開幕戦で腕章をつけていたのは、実は服部さん―に
出会った3人―柳本さん・相馬さん・俊哉さんは“代表期待の若手ホープ”でした。
その後、さまざまな選手の魅力を知り、見方の幅も広げていったのですが、
応援する選手がキャプテンマークをつけるシーンと遭遇した経験は皆無だったのです。
今では3人とも各クラブではベテランといっても過言ではありませんし、
(相馬さんがそう言われないのは、アントラーズのレギュラー陣の平均年齢が高いため)
1972年生まれの渡辺毅さんや大岩剛さんも主将を務めていますから、
それは決してありうべからざる光景ではないのです。しかし・・・。

キャプテンの仕事はコイントスだけ―いつかどこかの代表チームでは、そう言われてもいました。
俊哉コールがこだまする中、“代理キャプテン”はその重要任務に臨みます。
スタンドに応え、フィールドに散ったイレブンに声をかける―それは新鮮な光景でした。
プレーのクオリティという面での存在感は、昔から抜群に大きい人でしたが、
Out of playで自らの存在を周囲に意識させる場面は、
いい意味ではあまり見かけていないような気がしたからです。

いよいよキックオフ!
青ビニをメインやバックにも増殖させたジュビロサポはタイトルを意識した銀色のパネルを用意し、
対して、初栄冠に意欲を燃やすジェフサポはチームカラーの3色のテープを鮮やかに投げ込みました。
若いチームらしく、スピーディにボールを回すジェフ中心に動くボールを目で追いながら、
私はハッとしました―今日ジュビロが勝ったら、トシヤがトロフィーを受け取るんだ!

前半のジュビロはピンチの連続。俊足任せでサイドを切り裂く広山くんと、
負傷を押して強行出場の中西さんにはヒヤヒヤさせられっぱなしでした。
ギリギリのところでディフェンス陣がクリアする、そんなシーンが繰り返されます。
一方、攻撃は川口信男さんの俊足を生かそうという意図らしい縦パスばかりで、なかなか実りません。
その中でも、名波さんがときに魔法の左足で絶妙なボールを供給します。
右サイドを疾走する“後輩”へのパスの軌道の美しさに、スタンドでは感嘆の声が上がる程。
しかし、受けた信男さんのトラップが大きすぎて、ボールは彼の足からタッチラインの外へ・・・。
思わず怒る“先輩”。きっと4年前、西が丘で同じような風景が展開されていたはず。

ジェフがペースを握っていたとはいえ、スコアレスドローで前半は終了。
ハーフタイムには、入場者全員に配布されたヤマザキナビスコ製品(リッツ&オレオ)をつまみます。
「帰陣するときのポジショニングの修正ができていない。攻守の切り替えが遅いので、後半は早くしろ!」
バウミール監督のゲキが効いたのか、後半からグンとジュビロイレブンの動きが良くなります。
ゴール前に突き進む“元・西が丘の疾風”―何度オフサイドにかかっても―に、
ついつい絶叫してしまいます。どうしても名字では呼べないのですが。
「ノブオーーーっ!」
流れを引き寄せて先制点をもぎ取ったというより、
結果的に先取点から流れがジュビロに傾いたと書くべきでしょうか。
ついにゴールネットが揺れました。それも目の前で。決めたのは、信男さん。
ゴールでこんなに喜んだのは、いつ以来でしょうか―中山隊長がリヨンで決めた歴史的1点も、
出発前に相馬さんが決めた頭脳的ゴールも、もたらした感情は“喜”ではありませんでしたから。

試合はこれ以降、完全にジュビロのものとなりました。
中盤の底からスルスルと上がってきた奥くんが2点目を叩き出した時、
正確にはコーナーへ走って喜ぶ奥くんにフィールドプレーヤー全員がのしかかった時、
ナビスコカップは俊哉さんの手に渡される、そう確信しました。
スタンドに向けてガッツポーズする“ゲームキャプテン”は、本当に輝いていました。
後は歓喜―"Jubilo"へと続く階段となる、得点を積み重ねていくだけ。
3点目は再び信男さん。その時点では分からなかったのですが、
最高のラストパスをプレゼントしたのは、前半トラップミスに怒っていた名波さんだったのでした。
とどめは決定機にサイドネットを揺らしていた、U-19代表のエースストライカーにして
ルーキーツートップの片割れ、高原くんの一撃だったのでした。

ジュビロサポーターはいろいろと小道具を用意してきていて、
金や銀のトロフィーパネルや、「1998 ヤマザキナビスコカップ優勝 ¥100,000,000」と書かれたパネルが
ゴール裏ではじけるサポーターと共に踊りました。 後者にはかなり笑わせてもらいましたが・・・。
確信は揺らぎませんでしたが、やはりホイッスルの瞬間は感極まるものがありました。
去年のナビスコカップ決勝は、次―チャンピオンシップをどうしても意識して楽しめなかったから。
照明が落とされ、熱戦の舞台はセレモニーの会場へと姿を変えます。
まずは準優勝ジェフの表彰、そして・・・。

黄色いキャプテンマークを巻いた背番号10を先頭に、ジュビロの選手たちが階段を上ります。
オーロラビジョンの真下にいたため、何が映し出されてもまったく見ることができず、
ただ、じっと遠くの―“生”の表彰風景を凝視していました。
俊哉さんの細い腕の中で、確かにトロフィーはキラキラと光っていました。
カップと賞金のパネルをリレーしながら、全員が喜びを爆発させます。
MVPに選ばれたのは、この日2得点の信男さんでした。
自分は俊哉さんだろうと予測していたので、ちょっと意外だったのですが、
ナビスコカップが生んだヒーローという意味では、妥当な人選かもしれません。
・・・コンビを組む高原くんが、ニューヒーロー賞を受賞したように。

信男さんの個人表彰が待ちきれない、といった感じで、写真撮影が始まりました。
それもそこそこに、選手たちはサックスブルーのフラッグを手にウイニングランを始めました。
真っ先にゴール裏へ来たのは、俊哉さんと服部さん―二人とも、これ以上ないぐらいの笑顔を浮かべて。
トロフィーもサポーターのすぐ前まで運ばれます。奥くんとバンザイしたりもしました。
中山隊長が姿を現すと、しっかりお馴染みのコールが―存在感の大きさは不動です。
“キャプテン代理”はメインスタンドで自分の名が記されたフラッグを受け取ると、
スタンドを走って一周しました―結局その旗はバックスタンドで投げ込んでしまいましたが!
(他の選手が持っていたフラッグもサポーターに譲り渡されました。
帰りに俊哉さんの持っていた旗を贈られた男の子を目撃したのですが、羨ましかったです)
もう一度ゴール裏のサポーターの前に戻ってくると、俊哉さんはペタリと座り込んでしまいました。
聞いた話では、はしゃぎ過ぎて足がつってしまったらしく、山田くんにマッサージを受けていたそうです。
そんな状態でカメラに囲まれていましたが、きっと笑っていたんでしょう。

['98/7/27]
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ACT12Lefty in the Right(第5節:vsフリエ)

4月11日―浜松の空は2日前と違って気持ちがいいぐらい青く、汗ばむような陽気でした。
今回は素組や関西名波会をはじめ、静岡在住の方々ともたくさんお会いできて、とても良かったです。
改めて御礼申し上げます。いろいろとお世話していただき、誠にありがとうございました。m(_ _)m
浜松近辺でYAMAHAがどれだけ幅を利かせているか知ったのも、収穫の一つかもしれません(苦笑)。

スタジアムの入口では冷たいお茶がサービスで提供されていました。さすが静岡、美味しい!
この日最初の課題は、某W杯ガイド誌にも“無断”引用された横断幕を張る場所を探すことでした。
『陰の支配者 名波浩』
ジュビロスタジアムでは壁に入った“YAMAHA”の文字の上には張れないルールになっているらしく、
わりと大きめに作られているこの幕は、そのインターバルには収まりそうになかったのです。
やむなく、バックスタンドコーナーに張ったのですが・・・やはりYAMAHA強し、です。
今まで何度か訪れながら、未体験だったホーム側ゴール裏立ち見席。
ACT11の時に購入したタオルマフラーを巻き、声を張り上げます。
♪ななみ ひろし あれあれあれあれ ひろし ななみ ひろし あれあれあれあれ ひろし♪

3−4−3システムへの順応に苦労するフリエと、いまいち調子の出ないジュビロ。
同行者の間では、ボディーブローの応酬=大乱戦になるのではないかという予測が出ていました。
けれど、予想に反してというべきか、試合は早くから動きました。
CKのこぼれ球を拾って“相方”が放ったシュートは、綺麗にゴールマウスを裂いていったのです。
私は全然気づかなかったのですが、さすがに名波会の方は違います。すぐに叫びました。
今のゴール、右足だった!―左足での“トラップ”までしか、私は把握していませんでした。
ジュビロスタジアムにはリプレイを流してくれるようなビジョンはありませんから、
後でスポーツニュースで確認したのですが、美しい弾道は右足から放たれたものでした。
左足でのプレーにこだわるがゆえに、「右足は素人以下」とささやく人さえいた名波さんですが、
そんな説を粉砕するには十分な、見事な一撃でした。ちなみに、右足での得点は清商3年の時以来だとか。

この日、ジュビロで最もその存在を強く私たちの眼に訴えかけてきたのは、服部さんでした。
「そんなに目立たなくてもいいです。
気づく人が気づいてくれればいいというのは前から同じだし、そういう味のあるプレーをしたいですね」

Match Day Programのインタビューでの言葉とは裏腹に、服部さんは攻めに守りに大車輪の活躍でした。
前へ後ろへと駆け回る運動量もさることながら、特に豊かなスピードが光っていました。
右ウイング―似合わない気もするけれど、本来は右利き―の三浦淳宏さんを抜き去っていく姿に、
私は、近頃どうも冴えない“別の左サイドバック”の幻影を並べ、複雑な気分でもありました。
もちろん、服部さんとて、資本=身体のケアのために努力を惜しまないで日々を送っていることは、
本人が前述のインタビューで語っている通りなのですが・・・。
右サイドを破ったアレサンドロのセンタリングをゴールに叩き込めたのも、
服部さんのこの試合でのプレーが素晴らしかった証明の一つに過ぎないのです。

自分たちのサッカーを見出せずに苦しむフリエを尻目に、
ジュビロは今までのもやもやを晴らすかのようなサッカーを繰り広げました。
アレサンドロのクロスがサイドネットに引っかかったような3点目は、両チームの勢いの差そのものでした。
時折、秀人さんの守備が危なっかしいと感じる場面こそあったものの、
ようやく“彼ららしさ”を取り戻した気がしました。We are the J League Champion!

場内のサポーターが求めるものは、ただ一つ。思いを裏付けるようなコールが延々と繰り返されました。
(中山隊長のゴールが見たいっ!)
左サイドを上がってきた、小休止からお目覚めという感の名波さんが放ったクロスボールを胸でトラップ。
蹴り出されたボールはころころと転がり、ネットの中へ吸い込まれていきました。
ゴール裏が歓喜の叫びで揺れます。これが神懸かり的な得点量産の口火とは誰も知りませんでしたが・・・。

けれど、隊長のガッツポーズの一瞬の後、私は胸が詰まるようなものを目にしてしまいました。
ネットを・・・ボールの軌跡をじっと見つめる楢崎くんの、おそらく“怒り”が渦巻いた“眼”。
その後も続いたジュビロの猛攻を素直に受け入れられなくなる程、心打たれてしまいました。
実際、4失点目以降の楢崎くんのセービングは、鬼気迫るものがありました。
川口能活くんと代表の正GKを争っているという“立場”にふさわしい自尊心がそこには感じられました。

途中交代で登場の高原くんに向けられた期待も、並々ならぬものがありました。
ところが、ドゥンガ様は何故か高原くんにCKの担当を命じたのでした。
最初に指を差した時、まさかと思い、コーナーに走ろうとした奥くんを止め、
お前じゃなければダメなんだ、とでも言いたげに高原くんを追いやったドゥンガ様。
どういう意図かは分かりませんが、やっぱり高原くんはゴール前で点を取るのが仕事なのでは?

終わってみれば、許したシュートはわずかに2本という、久々の“完勝”でした。
Man of the Matchとして呼ばれたのは、右足が効いたのか、名波さん。
「ナナ、10万のうち7万はハットにあげなっ!」
ゴール裏に挨拶にやって来た服部さんの表情は、やるべきことを成し遂げた充実感に満ちていました。
そして、初体験だった中山隊長とのダンス・・・全ては、勝利を得たからこその風景なのでした。

['98/4/29]
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ACT11なっちゃん!スマイル(練習見学記)

磐田駅で下車し、ロータリーの2番バス停で時刻表を見て舌打ちをしてしまいました。
山梨方面のバスは出たばかり、次は約1時間後です。でも練習開始まであと20分しかありません。
ジュビロードの観光案内所に駆け込んで、PASを借りて飛ばそうかとも思ったのですが、
係員さんの「帰りに雨が降るかもしれないから」という言葉に、諦めてタクシーに乗りこんだのでした。
確かに帰り道は降られましたから、アドバイスに従って正解だったのですが・・・。

左側のドアが開くと、遠くから笛の音が聞こえてきました。もう練習は始まっていたのです。
予想外の出費とタイムロスに苛立ちながら、私はグラウンドへと駆け込んだのでした。
ちょうどボールを使わないメニューが終わり、一面に広がってパスを交わし始めたところでした。
元・野球場のグラウンドいっぱいに散られると、オペラグラスなどの助けを借りなければ顔が見えません。
一番近くで「エレベーターできへん」という謎のセリフを繰り返していた茶髪の奥くんと
ドゥンガ様&アジウソンコンビはすぐに分かりましたが、あとは・・・。
遠くに目を移すと、小さな身体でボールを蹴る背中が見えました。今野さんです。
いつも追いかけている華奢な俊哉さんはどこを探しても見当たりません。
前節でふくらはぎを痛めたのは本当だったんだ・・・と少しばかりブルーになります。
グラウンド中央付近では、かかとの蛍光オレンジがやたら眩しいスパイクが目につきました。
黄金の左足を振るう名波さんです。情けないことに、これ以上は判別できませんでした。

続いてはサイド攻撃とそれに対するディフェンスの練習。
ボランチがサイドに開き、それをFWに合わせるように見せかけて二列目の選手がシュートを打つ、
あるいはボランチが前に出てフィニッシュに絡む、そんな感じでした。
右の攻撃的MFには久藤さんが入っていました。どうやら俊哉さんの出場はないようです・・・。
時には名波さんや奥くんがボランチに下がったりしていましたが、
基本的には同じ布陣。土曜の試合のスターティングメンバーはほぼ推測がつきました。
「ハット、左やったか?」
ただ、コーチからこんな声が上がるまで服部さんがボランチをやっていたのが引っかかりました。

バウミール監督は腕を組んで立ちつくしていたり、コーチ陣と言葉を交わしたりするばかりで
選手に声をかけたりはしません。練習前後にまとめて話すタイプなのでしょうか?
思い起こせば、大久保へ来たのはこれが4回目なのですが、すべて監督が違うのです。
最初はオフト。次がフェリペ。ACT7の時は桑原さん。
練習は試合よりチームカラーや監督の個性が出ると経験的に感じている私としては、
この頃、一部で不満も出ているバウミール監督のやり方が気になったのです。

最後は監督がAチームのメンバーに直接黄色いビブスを渡して始まった、紅白戦です。
そのフォーメーションは、結果的に土曜のスターティングメンバーと全く同じでした。
服部さんは左SBでしたが、見学エリアから遠くてよく見えません。
「マコ! マコ!」と叫ぶ声が上がっていたのはBチームでした。CBはアジウソン&秀人さんペアです。
すぐ手前にいたのは右SBの今野さんで、大神さんにポジションについてしつこく指示されていました、
でも一番印象に残ったのは、Bチームに入った清水さんを叱咤する山本コーチのコーチングでした(^^;)。
監督が何も発言しないだけに、その叫びはやけに私の耳にも届いたのでした。

終了後、奥くんがルーキーのGK山本くんをつかまえて遊び始めました。
またまた「エレベーター行くぞ」と口にしながら、FKやPKを浴びせます。
そこへやって来たのは名波さん。
ペナルティマークにボールを置くと、構えるキーパーに向けて魔法の左足を繰り出しました。
反応して飛ぶ山本くんを嘲笑うかのように、ボールはふわりと頭上を越え、ネットに吸い込まれました。
「お前、全然使えない」
さらりと言い放つとロッカーの中に消えていった名波さん。なんかかっこよかったです。

帰りのファンサービスタイムでは、俊哉さんがいないので、
服部さんへ土曜の試合に行くことを伝え、活躍してくれるようにお願いしました(そして実現!)。
選手を待っているうちに雨が降り出し、少しずつ強くなっていきました。
秀人さんは途中でサインetc.を打ち切って走り去っていきましたが、これも仕方ありません。
両側を記者に挟まれて出てきた名波さんが応じてくれるかどうか、少し不安だったのですが、
彼はリクエストをさばきつつ質問に答えるというテクニシャンぶりを見せてくれました。

名波「スパイク替えたの気がついた?」
記者「いいえ・・・全然気がつきませんでした」
名波「それじゃあ、記者として二流だね」
記者「いつも厳しいですね・・・」
名波「マスコミ不信になってるから」
(それは特注で、ボールを蹴った時のインパクトなどが改善されているらしい、と名波さんが説明)
名波「(説明のメモを取る記者を制して)こんなの書かなくていいよ。明日も履こうか?」
記者「是非お願いします」
名波「(意地悪そうな笑顔を浮かべて)じゃあ、やめよっかな」
(この後も、まだ試し履きの段階で、試合で使用するわけではないと説明が続く)

なんだか久しぶりに“相方、いいな♪”と名波さんにやられてしまいました。
磐田を離れる前にオフィシャルショップへ応援グッズの調達に行ったのですが、
タオルマフラーの棚の前で携帯が鳴らなければ、おそらく7番のタオルマフラーを買っていたでしょう。
私の携帯の着信音は俊哉コールなのです。あれを鳴らしておいて、10番以外の物なんて買えませんよ・・・。

['98/04/14]
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ACT10主役は誰?(第2節:vsヴェルディ)

そのつもりではなかったのですが、成り行きでゴール裏のサポーターの中に陣取ることとなりました。
ジュビロのゴール裏に入るのは昨年7月の平塚競技場以来、三度目です。
応援がこなせるかどうか自信はなかったのですが、代表と似ているのもあり、しっかり声が出せました。
♪中山隊長 ゴンゴール ゴンゴール ゴンゴール 中山隊長 ゴンゴール ゴンゴール ゴンゴール♪
もちろん、ここに来なければできないコールもあるわけですけれど(^^)。
ジュビロのサポーターは本当に優しいですね。相手のメンバー紹介でもブーイングはしませんし、
代表選手には拍手さえ起きたぐらいです(試合前にはカズコールもやっていました)。

話題となっていたV6の始球式ですが、6人が両チームのイレブンに続いて、
緑色の旗を手に姿を現した途端、スタジアムでは聞いたことのない悲鳴のような歓声が大爆発!
メインでもバックでも両サイドでも、おなじみのウチワが揺れていました。すごいエネルギーです。
カミセンがホーム側ゴール横に回ったため、ガッカリした人もいたようですが、
私はピッチまでの距離を嘆きながら「長野く〜ん 」状態に。好きなんです(^^;)。
「やぶさんじゃない」と言われてしまいましたが、ま、そういう面もあるんですよ・・・。
というわけで、この件についてはさまざまな意見があるようですが、私はコメントしません。

試合開始直後、100試合出場を達成した服部さんがボランチを務めているのにまず驚かされました。
スターティングメンバー紹介に名を連ねていた福西くんの姿はなく、左サイドには山西くんが入ったのです。
奥・服部の急造ボランチコンビは危なっかしいプレーを連発。正視に堪えません。
そう時間がたたないうちに、奥くんは秀人さんと代えられてしまいます。
CBコンビ、特に田中くんの方は的確なカバーリングでピンチを摘み取り、成長を感じさせました。
右サイドでは小さな背番号15がオフェンス全体の中でも孤軍奮闘していました。
「今野を使え!」
メンバー紹介では奥くんや田中くんのように黄色い声が上がるわけでもなく、まだまだ地味な存在ですが、
こうやってプレーでその名前をサポーターの胸に刻んでいくんだ、と嬉しく思いました。
ジュビロはボールをキープし続けるのですが、パスは横へ後ろへ回るばかりで、
なかなかゴールには近づいてきません。当然ながらフィニッシュにも結びつきません。
開幕戦で見せた素晴らしいサッカーはどこへ・・・と首を傾げながらスコアレスドローで前半を終えます。

ハーフタイムショーは、この試合の目玉です。V6が2曲も歌うのですから。
どちらに動いたわけでもないゲームの緊迫感は完全に薄れ、テレビの収録会場のような雰囲気。
約27000人の観衆の何割かはV6ファンだったことが明らかになりました。え、私も?
そんな異様な状況の中でボール回しを続けるジュビロのサブメンバーの皆さん、どんな気分だったのでしょう。

後半になっても流れは変わりません。ジュビロはもがき苦しみます。
ヴェルディの最前線には高木さんが立っていたのですが、あまり印象にありません。
全般を通して気になったのが、すぐにファウルを取り、流れを止めてしまったモットラム主審。
ジャッジングの不可解さに、私もついつい愚痴を並べ立ててしまいました。
ドゥンガ様がいなければ中盤は機能しない? いらいらしているうちに、先制点は川崎に転がり込みます。
カズのCKが大神さんの手をスルリとかわして、そのままネットの中に入ってしまったのです。
サポーターの高原コールの回数がさらに増えます。高原くんなら何とかしてくれる・・・。
実際、登場した高原くんは先発の2トップよりもフィニッシュに対する強い執着をあらわにしてくれました。
ジュビロは久藤さんも投入してゴールを狙いますが、守りを固めるヴェルディの前に
俊哉&名波コンビをもってしてもパスを出す先が容易に見つからず、サポーターの不満を募らせます。
そのままタイムアップ。主導権は手中にあっただけに、悔やまれる敗戦です。
イニシアティプを握りながら負けてしまうのは、以前からジュビロの抱える問題なのですが・・・。

['98/03/27]
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