現在、大きな社会問題となっている児童虐待。相談件数は年々、増加の一途をたどっている。
しかし、虐待の現場から救い出されても、子どもたちがすぐに苦しみから解放されるわけではない。虐待によるトラウマが襲いかかる。
カメラは長崎県にある施設に密着。
そこは、いわゆる児童養護施設や里親では対応が難しいほどの深い傷を心と身体に負った子どもたちが、九州の他県からも入所し暮らしている。子どもたちにとってはまさに「最後の砦」のような施設だ。
今回、初めて長期にわたって撮影が許された。虐待という凄惨な体験をした子どもたちが、柔らかな心を取り戻し、親や大人との関係を再びつくることは可能なのだろうか。そしてそれには何が必要なのだろうか。
番組では施設での日々の出来事と、子どもたち、施設の職員、親の生の声を丹念に記録。激増する「虐待」の実態と、再生の可能性を描き、大人の責任で深く傷つけられた子どもたちの存在を、社会に問いかける。