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原発の独自技術不足、UAE事業受注に暗雲(上)

 韓国政府と韓国電力公社は、アラブ首長国連邦(UAE)など海外向けの原発技術輸出を積極的に進めてきたが、にわかに暗雲が漂ってきた。米原発大手のウェスティングハウス・エレクトリックが同社保有の原発技術に関する海外事業権の一部引き渡しを韓国側に要求してきたためだ。韓国が今後、海外の原発を受注に成功しても、実際は事業を外国企業に明け渡さなければならなくなる懸念が高まっている。

◆独自技術のなさが弱点

 UAEでの事業は原発4基を建設するもので、200億ドル(約1兆9200億円)規模に達する。韓国にとっては原発輸出の初の実験台となる。韓国電力公社主導のコンソーシアムは、仏アレバ、米ゼネラル・エレクトリック(GE)と日本の日立製作所の2社陣営と共に審査対象企業に選ばれ、3日に入札書類を提出した。今月30日に候補が2陣営に絞られ、9月中旬に落札者が決まる。

 ところが、最終入札を控え、ウェスティングハウスが韓国側に対し、原発の重要部分である原子炉冷却材ポンプと原発計測制御システム(MMIS)の工事に参入したいと申し入れてきた。同社は5月の事前資格審査で脱落した企業だ。

 脱落した同社がこうした要求に及んだのは、韓国が同社の原発技術を採用しているからだ。韓国は現在、原子炉冷却材ポンプ、MMISを含む3種類の技術を独自開発できていないため、外国の技術を採用している。

 韓国が米企業の技術を採用する形で原発を輸出するためには、米政府の事前承認が必要だ。このため、ウェスティングハウスが技術使用問題を盾に韓国の原発輸出に待ったをかければ、輸出は事実上困難となる。韓国は技術力不足で足元をすくわれた格好だ。

ペ・ソンギュ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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